ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第569話

三百頁目

 

 想定外の出来事に時間を取られてしまったせいで皆の居る拠点へ帰りつくどころか青いカプセルを回収したところで日が暮れてしまった。

 お陰で出てきた中身をろくに確認できないまま回収する羽目になったが、それでも一瞬浮かび上がったシルエットから銃らしきものと設計図が手に入ったことだけはわかった。

 もしこれが本当に銃なら完璧にお土産を持って帰れることになるけれど、先ほどまでと違い気分が盛り上がるはずもない。

 

 何せあんな犠牲者を見た後なのだし、おまけにこれから真っ暗な中を帰らなければいけないだから。

 ただ真っ暗とはいえ松明をアルケンのサドルに刺すことでコンパスと地図を確認するために必要な最低限の光源は確保できる。

 そして方向さえあっていれば空高くから地表を見下ろすことで、この暗い中で篝火によって浮かび上がっているであろう拠点をいずれは見つけることができるはずだ。

 

 ただ唯一心配なのは余り回り道しすぎてアルケンのスタミナが尽きてしまった瞬間だ。

 幾らアルケンでも無限に空を飛べるわけもなく、疲れ切ってしまえば着地して少し休む必要が出てくる。

 しかしこんな真っ暗闇ではそうそう安全に着地する場所を見つけられるとは思えない。

 

 そして下手なところに着地してしまったところを夜目の聞く肉食に襲われたらかなりヤバいことになる。

 ……まさかこんな時間に砂漠のど真ん中をうろつく羽目になるだなんて……トラブルがあったとはいえ、やはり俺はARKという環境に慣れすぎて慎重さが疎かになりつつあるのかもしれない。

 死んだら終わりだというのに……いや仮に生き返れるとしても、こんな軽々に命を危険にさらすような行動は控えるべきなのに……。

 

三百一頁目

 

 拠点外に居ながら全く遠くを見渡せない暗闇に包み込まれるのはいつ以来だろうか。

 はっきりと思い出せるのは初めてARKで目覚めたあの日の夜、押しつぶされそうな恐怖に震えながらひたすらに日が昇るのを待ちかねていた。

 今はあの頃より少しは逞しくなっているのかそれともアルケンというお供がいるお陰か、そこまでの恐怖は湧いてこない。

 

 ただ不安な気持ちだけは消えてくれないもので、このまま拠点が見つからなかったら朝までどう過ごすべきかという疑問と共に心と頭に重くのしかかってくる。

 こうなるといっそ、夜中でもなお目立つオベリスクを目指しその麓にある拠点を目指すのも一つかもしれない……そんなことを考えたところで、ついに揺らめく炎の光源を見つけることができた。

 ……はぁぁ、どうやら今回は何とかなったみたいだけど次からは何か起こってもいいように時間に余裕を持って動くことにしないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何で? どうして? そりゃあここも俺の拠点だけれど、近くにゴーレムが居るから寄るのを諦めた最初の拠点じゃないか。

 いやそれ自体は良い、カプセルの回収に寄り道した際にこっち側に航路がズレていたのは知っている……けどなんでここの篝火が燃えているんだ?

 最後にここへ火をともしたのはかなり前で、流石に燃料もすべて燃え尽きているはずなのに……どうなっているんだ?




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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