三百十三頁目
思っていた以上に疲れていたのか、目が覚めたのは昼食時間を少し過ぎてからだった。
しかもルゥちゃんが顔をぺちぺち叩いてくれたから目を覚ませただけで、そのままだったらもっと寝続けていたかもしれない。
予め昼に起きるとは告げてあったのだが他の皆は普段目覚めが良い俺がこうも深く眠っている姿を見て気を使ってあえてそっとしておいてくれたらしい。
……そう俺に教えてくれたのは俺の様子を伺うよう頼まれたルゥちゃん……の傍に浮かぶオウ・ホウさんであった。
同時にこのタイミングで起こすようルゥちゃんに頼んだのもオウ・ホウさんだったようで、彼は最近自分は何も協力できていない気がするから手伝えることが無いかと尋ねてきた。
尤も自分にできることなど相談ぐらいだがと続けて呟くオウ・ホウさんだったが、それが俺を気遣っての発言だというのはすぐに分かった。
……そうだよなぁ、前の島でずっと一緒だったオウ・ホウさんには悩んだり苦しんでいる姿も知りつくされているんだから俺が落ち込んでいることを見抜けないわけないんだよなぁ。
だから俺の負担にならないようあえてこういういい方でさりげなく相談に乗ろうとしてくれて……歳の差もあるけれど、やっぱりオウ・ホウさんにはまだまだ色々と敵わないなぁ。
せっかくなのでお言葉に甘えることにして、俺は昨夜あったことを全て伝えた上で見えるように武装した方が良いのかなどの悩みも相談させてもらうのだった。
三百十四頁目
元々が軍人だったこともあり、オウ・ホウさんは護身できる力があるよう見せるために武器を持っていた方が良いと思っているようだ。
もちろんそれは相手が悪事を目論んでいた際の抑止力に繋がることもさることながら、このARKという危険な動物が徘徊する場所において武装している集団との出会いはある意味での安心にも繋がるからだという。
……言われてみればもしARKに来たばかりの俺が肉食などに追われて逃げ惑う中で出会った人間が武器を持っていたとしたら、最初は怯えるだろうけれどその人と一緒に居れば守ってもらえると安心できたかもしれない。
どうやら俺は昨夜の一件とあの日記を読んでナーバスになり過ぎて視野が狭くなっていたようだ。
ぐっすり休んだ上にオウ・ホウさんに相談に乗って貰えて悩みまで解決したおかげか、流石に心の余裕が戻ってきた気がする。
……後はもう一つの悩みである新しい生存者らしい存在との向き合い方だが、これはやっぱり俺が先にあって相手がどんな人物か確かめてから考えるとしよう。