ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第576話

三百十五頁目

 

 住居の二階にある寝室から外へと顔を出すと、ちょうどそこで畑の手入れをしていたらしいキャシーがこちらに気づいて話しかけてきた。

 ぐっすり眠れましたかとかご飯ならソフィアが用意してありますよとか口々に言いながらもいつものように急接近してくる。

 もちろんこのまま何かの拍子でテンションが上がったら飛びつかれかねないと思い制止しようとした……がその前にキャシーの方で何かに気づいたように止まると恥ずかしそうに後ずさりし始める。

 その様子からはどうも手の周りの匂いか何かを気にしているようだが、見れば皮の手袋の上に土のような何かが付着している。

 

 多分畑仕事をしていた際に付いたものだろうが、少し考えた俺は前に畑仕事をしていたフローラも似たような仕草をしていたことを思い出した。

 ……そういえば肥料について堆肥箱か何かを作ろうと思っていたけれど、この様子を見ると自分達で作って運用していたんじゃないか?

 そう思って住居の二階部分で視界が開けていることを利用して拠点内を見回すと、牧場の隅の方にハエがたかっている箱がおいてあった。

 

 ……俺がいない間にみんなも頑張ってくれたようだな、これは向こうが何をしていたのかの報告も聞き甲斐がありそうだ。

 

三百十六頁目

 

 思った通り俺がいない間に皆は精力的に色々とやってくれていたようだ。

 まず住居の一階にある話し合いをするスペースの壁に俺の自作地図を写したようなキャンバスが置かれている。

 多分これは前に俺が話したことを参考に、皆で効率よく活動するための戦略図を作ろうとしてくれたのだろう。

 

 しかもそれが二つもあり、一つには俺が伝えた金属鉱石や水晶といった希少素材が取れる場所には印がつけられていた。

 そしてもう一つの方は役に立つ能力を持った動物や希少素材が取れる生き物、または純粋に珍しい奴を見かけた場所を記すための物のようだった。

 尤も希少素材と言える絹が取れるモスラの同種やケラチンが取れる刺トカゲなどはこの砂漠中のあちこちに点在しているため、今の時点であえてキャンパスに記されているのはアルケン君の同種がいる山の辺りと……前に見た超巨大な草食が居た場所ぐらいであった。

 

 ただこうして動物の捕獲しやすい場所の情報を記しておくのは後々凄く役に立つかもしれない……気がする。

 前の島では捕獲係がほぼ決まっていたこともあり、その人の経験則に任せるか行く前に一々聞きに行く必要があった。

 しかしこれさえあれば欲しい動物が出た際に手が空いている人が向かうことができるようになる。

 

 ……まあ野外での捕獲が危険なことには変わりないから皆がサバイバルに慣れてきたころか、或いは装備が充実した後の話になるだろうけれども。




今回名前が出た動物

リマントリア(モスラの同種)
モロクトカゲ(刺トカゲ)
アルゲンダヴィス(アルケン君の同種)
ティタノサウルス(超巨大な草食)
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