ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第585話

三百三十二頁目

 

 比較的早めに寝床に入ったこともあり、予定通り早起きすることができた。

 ……ただまさか既にソフィアが起きて活動を始めているとは思わなかった。

 考えてみれば他の皆だって同じタイミングで寝室に戻ったのだから、俺と同じように早く目を覚増しても不思議ではない。

 

 まあ寝床に戻ってからも新しいクラフト品について考えていたハンスさんはぐっすりだし、ソフィア曰くあの後もルゥちゃんと無線機を弄って遊んでいたキャシーは二人してお互いを抱き枕にするようにして眠ったままのようだ。

 しかしソフィアは昨日やり損ねた野外活動の訓練をやる気満々なようであり、まだ薄暗いにも関わらず準備はできていますからいつでも声をかけてくださいねと言ってくる。

 はてさてどうしたものか……このままソフィアに待機してもらっておいて当初の予定通り一人で最初の拠点の辺りを探索して回るのもありだが、先にソフィアと野外活動の訓練をしておくのも悪くない気もするしなぁ……?

 

三百三十三頁目

 

 結局、俺はソフィアを連れての野外訓練を優先することにした。

 仲間になるかどうかわからないどころか下手したらトラブルの火種になりそうな相手を探しに行くより、仲間の成長を優先した方が良いと判断したためだ。

 尤もこの野外活動でソフィアが優秀そうであるのならばキャシーと組ませてティラノの捕獲を任せ、その隙に探索へ出向くことができるかもしれないという思いもあった。

 

 そうしてまずはキャシーの時と同じように水晶のある山へ……向かう前に、ソフィアがどこまでアルケンを乗りこなせるかをチェックすることにした。

 一応拠点と近くに落ちるカプセルとの間を行き来するぐらいなら問題ないとわかっているが、アルケンにとって一番の武器である鍵爪をどこまで使いこなせるか知っておきたかった。

 何せ動物を上手く持ち上げられるかどうかがアルケンの最大の強みと言っていいのだから……これができないとアルケンはただの……超優秀な生き物ではなく優秀な生き物でしかない。

 

 ……うん、最大の強みを使えなくても優秀だって思えるのおかしいよこいつ。

 

三百三十四頁目

 

 ある意味で想像通りというべきか、ソフィアは小さい生き物を掴み上げるのに苦労しているようであった。

 たまたま近くをうろついていた刺トカゲを相手にしたときはそこまでではなかったが、次いでまた近いところにいた狼を標的にしてみると交錯するタイミングと掴み上げる指示を出すタイミングがずれてしまい、何度も何度もやり直す羽目になっていた。

 まあ小さいと掴み上げ難いのはわかるが、せめて狼サイズまでは数回で成功できるようにはなっておいて貰いたい。

 

 だから取りあえずそれが上手く行くまで練習してもらうことにしたが、途中で焦ったのか指示を出し間違えて攻撃して倒してしまった。

 掴み上げなくても狼ぐらいなら普通に嘴で撲殺できる強さを見て、改めてそこに飛行能力と積載力更にはスタミナまで加わっているこいつの優秀さを再認識してしまう。

 ……本当にこの子さえ数が揃ってれば洞窟やオベリスクといった入るのに制限があるところの攻略を除けば、全部ごり押しで行けてしまいそうな気がする。

 

 ただやっぱり動物の能力にかまけて色々な鍛錬を怠ると万が一の時に命を落としかねない。

 だからとにかく練習してもらおうとちょうど良さそうなサイズの動物を探して……ミッキーの同種を見つけてしまう。

 ……いや確かにこのサイズの生き物を確実につかめるようになれば文句のつけようなんかないけど流石にここまでくると俺だって一発で上手くやる自信は……ソフィアもそんな目で見なくてもそこまでやれとは言わないか……え? お、お手本を見せて欲しいって……か、勘弁してくれよぉ。




今回名前が出た動物

ティラノサウルス
アルゲンダヴィス(アルケン)
モロクトカゲ(刺トカゲ)
ダイアウルフ(狼)
トビネズミ(ミッキーの同種)
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