ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第587話

三百三十七頁目

 

 俺がどうでもいいことを考えながら見守る中で練習し続けたソフィアは少しずつ上達した……ことはしたのだが、それでもサッとやれるぐらいまではいかなかった。

 もちろんミッキーの同種が小さすぎるせいでもあったのだが、後で見つけたラプトルの方に標的を変えても、持ち上げる際に肉食が抵抗する衝撃が伝わると反射的に放り出して距離を取ってしまうようでどうにも上手く行かない。

 だからいろいろと試してみたところ、アンキロや刺トカゲのように比較体格の良い四つ足系……つまり平べったくて横に広い感じの生き物ならば掴みやすい上にしっかり保持できるためか何とかできるようであった。

 

 しかし四つ足でも狼ぐらいのサイズになると一発で掴み上げられない上、群れていると他の個体にアルケンが襲われて傷ついたら可哀そうだと思っているようで余計に上手く行かない。

 ……こればっかりはもっと練習して上達してもらいたいところだけれど、これだけのために時間を使ってばかりもいられない。

 まあ動物の扱いに関してはキャシーも俺に引けを取らないぐらい上手だし後で彼女と一緒に練習してもらえばいいだろう。

 だから一旦アルケンの扱いについては打ち切り、飛行生物を使っての遠征に慣れてもらうための作業に移ることにしよう。

 

三百三十八頁目

 

 まず近場の水晶を始めとした希少素材の拐取に赴くが、アルケンの扱いが苦手なソフィアに野生動物の対処を任せるわけにはいかない。

 しかしただ見ていて貰っても何なので、なんか思うところがあったら指示してみて欲しいと言ってみると少し悩んでから色々と述べ始めた。

 基本的には俺やキャシーがやったような方法での動物の駆除……掴める奴は掴みあげて、無理そうな奴は山の斜面まで誘き寄せて下に滑り落とすことで安全を確保しようと提案してくる。

 

 どうやら見るべきところは見れているようなのでこれなら後は動物を扱う技量さえ整えば問題なく一人で活動できる……と思った矢先にソフィアは恐る恐るながらも、もう一つ試してみませんかと言ってきた。

 その視線の先には岩に擬態しているゴーレムの姿が……いや幾らアルケン君が優秀だからってあいつは無理だって。

 どうも自分が動物を操れないからかソフィアの見積もりは甘くなっているのでは、と思ったのだがそんな俺に彼女は前にゴーレムが動くところを見たけれど動きが鈍重だったことを指摘してくる。

 

 そして今俺が他の動物を駆除するために距離こそ保ったままだが、近くで騒いでいるにも関わらず擬態を解かないところを見てこちらを認識する力もあまり強くなさそうだと言ってくるのだ。

 だからまずすれ違うようにしてあえて気づかせておき、擬態を止めて飛び出してきた後攻撃の態勢に映るまでの間に思いっきり距離を取ってしまえばどうかというのだ。

 彼女曰くそうしたらゴーレムはこちらに気づくことができず、どこに居るのかと再び擬態するまでの間、近くをうろついて探し回るのではと……そうやって上手いこと素材の傍から避けてしまえば倒さなくてもここにある素材を全て一度に回収できるかもしれない。

 

 ……言われてみれば確かにあのゴーレムは動きが鈍重だったし、前に何度か襲われた時も飛び出してから攻撃に映るまで少し時間があったから逃げ切れた……そしてそのやり方なら倒さなくても比較的安全にゴーレムを追いやれるかもしれない。




今回名前が出た動物

トビネズミ(ミッキーの同種)
ユタラプトル
アンキロサウルス
モロクトカゲ(刺トカゲ)
アルゲンダヴィス(アルケン)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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