三百三十九頁目
ソフィアの案は悪くないがそれでも万が一にも投石に当たったら一発でお陀仏になる可能性がある。
だから動物に乗って近づくのではなく遠距離から弓矢で打ち抜く形でやってみることにした。
これなら元々距離があるから逃げるのも容易いし、流石のゴーレムも余りダメージにはならないだろうが弓矢が勢いよく突き刺されば反応しないわけにはいかないだろう。
果たして俺とソフィアの目論見通り、水晶の傍で擬態しているゴーレムを矢で射抜かいてやるとすぐに擬態を解いた。
しかしすぐに空へと飛びあがり距離を取った俺達に気づけないようで、攻撃してきた相手を探すように近くをウロウロと動き回っていた。
それでも少しすると諦めたように移動した先で再び岩に擬態して動かなくなった
お陰で今まで回収できなかった場所の水晶も取り放題だ……これも全部ゴーレムの特徴を見抜いた上で指示してきたソフィアのお手柄だ。
俺よりゴーレムを直接見る機会が少なかったはずなのに素晴らしい観察力と言うほかない。
三百四十頁目
希少素材の回収を終えた俺達は次いで原油ポンプのところまで遠征……に行く前に一旦拠点に戻り回収した素材を下ろしていくことにした。
すると途中でアルケンに乗ったキャシーがアンキロを掴んで輸送しているところに出くわした。
どうやら諸々の作業をしている間に彼女も目を覚まして、自主的に役に立ちそうな動物の捕獲作業をしていたようだ。
実際に声をかけてみると思った通り、見張り台の上に行った際に比較的近くにこのアンキロが居るのを見かけたらしく、前に俺が捕まえたいと言っていたのを思い出しこうして掴んで拠点内にある捕獲用の罠までもっていこうとしているのだという。
ただキャシー曰く近くにミッキーの同種も居たのだが、一度には連れていけないから諦めたという……それ多分どっちもソフィアがアルケンで掴むのに利用した個体だろうなぁ。
一応あの時もアンキロは持って帰って捕獲しておこうか考えたけれど、今日は最初の拠点の周りを探るための時間を作るために諦めたのだ。
それをこうしてキャシーが代わりに捕まえて来てくれたのだから本当にありがたい限りだ
しかしこうなるとソフィアにも捕獲する手順を実際に体験してもらいたいものだが、時間も節約したいし……どうしたものかな?
三百四十一頁目
野外活動する上でクロスボウなどの遠距離武器を使えるようになっておくことは非常に重要だ。
だから武器に慣れてもらう意味も兼ねてやっぱりここで捕獲の手順を経験しておくべきだろう。
そう判断した俺は早速キャシーに事情を話して、アンキロを罠に落としたらそこから先は役目を変わって貰うことにした。
もちろん説明を受けたキャシーは二つ返事で頷いたけれど、ソフィアは先ほどアルケンの扱いが上手く行かなかったこともあってか何だか不安そうにしている。
そんなソフィアを励ますようにキャシーは話しかけ続ける……けれど、実際にアルケンで俺達がやっていた内容を聞いたら嘴で動物が掴めることの方に食いついてきた。
どうも自分でも試してみたいようでウズウズし始めたキャシーは拠点に戻るなり手際よくアンキロを罠の中へ落とし込むと、俺が肩に乗せているミッキーの同種で試してみたいと言い出した。
まあソフィアにクロスボウの……後一応弓矢の使い方も教えなければいけないからその間ならばとミッキーを地面に下ろしてやると、早速キャシーはアルケンの嘴で掴み上げる練習を始めようとする。
…………いやキャシーさん、喜んでいるところ申し訳ないんですがぶっつけ本番の一発目で成功されますと俺としては先輩としての立つ瀬というか威厳がその……ああ、ソフィアが俺に向けていた時以上に目を輝かせながらキャシーを褒めたたえてるぅ……ぐすん。
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
アルゲンダヴィス(アルケン)
アンキロサウルス
トビネズミ(ミッキーの同種)