ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第598話

三百六十一頁目

 

 使い道が分からないとはいえ捨てるのも何なので、取りあえず出てきた物品は全て荷物として持っていくことにする。

 その上で次にどう動くべきか考えるが、やはりカプセル以外に当てはなかった。

 しかしそうそう都合よく近場にカプセルが落ちてくるはずもない。

 

 こうなると選択肢は二つ、このままこの辺りにカプセルが落ちてくる可能性を信じて待つか諦めて別の作業に移るかだ。

 少し迷っていたところ、無線機からキャシーの声が聞こえてきた。

 本日二度目の連絡になるが内容は前と同じでこちらの様子の確認と簡単な近況報告であった。

 

 ……こうも頻繁に連絡してくるとは余程一人で動いている俺のことが心配……なのもあるだろうがそれ以上に多分無線機を気に入ってるんだろうな。

 

三百六十二頁目

 

 キャシー達の活動は順調なようであり、今はちょうど山から希少資源を採取してハンスさんに渡したところのようだ。

 そしてこれからソフィアと一緒にアルケンの操作を練習するとのことだが、せっかくなのでこっちのことも相談しておくことにした。

 何だかんだで彼女達は自らの得意とする分野では俺より優れた才能を見せている。

 

 だから何か違う視点から俺の思いつかない意見を聞かせてくれるのではと思ったのだ。

 すると一緒に話を聞いていたらしいソフィアが先ほど回収したカプセルの色を尋ねてくる。

 彼女曰く、サバイバル経験の多寡によって開けるカプセルの種類が異なるのならば例の人が開けられる色は限られているのではないかという。

 

 ……確かに黄色いカプセルはかなりARKで経験を積まないと開けられるものではない。

 そして例の人がカプセルの中身を回収して回っているのならば、自分が開ける色のカプセルを識別できていても不思議ではない。

 だから開けられない黄色いカプセルのところには姿を見せなかった可能性は確かにありそうだ。

 

 つまり今後は紫色以下のカプセルが落ちてきた時だけ探しに来た方が……そう思った俺にソフィアは最低の白かその次の緑の時だけでいいのではと言ってくる。

 例の人がいつからここにいるか分からないのにそんな経験が少ないとどうして断言できるのか首をひねる俺にソフィアは、俺達が出会ったあの猛烈に熱い気象について口にしてきた。

 今の拠点から設備までかなり整っている俺達ですら水をふんだんに使える環境でなければあの熱波は乗り越えられそうにないのに、あんな風に一か所にとどまらず放浪しているらしき人がどうにかできるはずはないと……だからあの後にやってきたのではないかと自らの推測を話してくれた。

 

 言われてみれば確かに砂漠用の装備を纏った上で熱に強い粘土で作った家の中に居ても完全に熱さは軽減しきれなかった……そう考えるとソフィアの言う通り、あの熱波の後にやってきたと考えるのが自然な気がする。

 ……いやなぁんか見落としているような気もするんだが……というかそもそもあの天候考えれば考えるほどヤバくないか?

 水源の傍に居なければ絶対に乗り越えられない天候なんて、幾ら何でも初心者殺しすぎるというか余りに殺意が高すぎる。

 

 ひょっとして見落としているだけで何か簡単な対策があったりするのだろうか?




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
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