三百八十六頁目
建造物と聞けば最初に思い出されるのは日記が隠れている場所だった。
次いで頭に浮かんだのはモーリツさんの事……つまり彼みたいに生き残っている人が住居を作っている可能性だ。
ただ外周部の砂漠はあの凶悪過ぎるサンドワームの出没地であり、あんな危険な場所に拠点を好んで作る者がいるだろうか?
前の島に置いてもあの外周部の砂漠に当たる海には同じく鯨という危険生物が出没したため、俺はもう拠点を作ろうとは思わなかったほどだ、
尤も海中の洞窟を探索するために色々と用意はした記憶はあるが……いやもしかしたらソフィアが見たという建造物も先達者様の誰かが洞窟探索のために用意したものではないか?
そう考えればあんな危険な場所に住居を構える意味も納得できる。
まあ仮に全く洞窟と関係なかったとしても本当に建造物があるのならば近場を探索しに行かない理由は無……サンドワームの危険性を考えながら行うべきだな。
……しかし思い返してみればこの赤いオベリスクの近辺は水晶を手に入れた喜びが強すぎたせいかまだちゃんと見て回っていない……明るくなったら最初にこの辺りを探索してまわるとするかな。
三百八十七頁目
ルゥちゃんの儀式も終わったところで後は眠るだけとなった。
自然と眠くなるまで自由時間のような形になり、各々が拠点のあちこちへと散らばっていく。
ソフィアは俺が持って帰ってきた電灯を一度試したかと思うと、篝火を超えるその光量を見るなりどこに配置すれば一番効果的か見張り台の上で考えている。
またハンスさんも篝火があるからと電子基板を惜んで制作を後回しにしていた電灯の明るさを再確認したことで、素材の数と相談しながら少しずつ作り始めようと再び旋盤のあるパララ君の背中へと向かって行った。
その際に篝火からいつの間にか回収していたらしい木炭も持っていっている辺り、多分火薬の生産も行うつもりのようだ。
キャシーはコレオちゃんの状態を確認がてら、こちらも俺が持ち帰ってきた鞭を動物のしつけに使えるかもしれないと試行錯誤しに牧場の方へと向かった。
……正直、アレな方向の使い道しか思い浮かばなかった鞭を見てキャシーが嬉しそうにしたときにちょっとドキッとしてしまったのは右手首には内緒だ。
そして残るルゥちゃんはいつもなら調理やすり鉢で粘土などの簡単な素材作成をするところだが、今日はお昼寝もせずアルケンを乗りこなすために頑張ったためか欠伸をしながら一足先にベッドへと向かって行った。
俺もまた朝から活動して疲れていたが、それでも何か手伝えることがあればと皆に声をかけて回ったが気にせず先に休んでいいと言われてしまう。
せっかくなのでお言葉に甘えさせてもらおうと寝室へ向かおうとしたが、途中で何気なく空を見上げると相変わらず美しく済んだ星空が目に飛び込んでくる。
……前の島も夜空は綺麗だったけれど、こうして砂漠で見上げる夜空もなんか幻想的な雰囲気があってなんか心地いい気がするなぁ。
或いはこのARKの制作者も同じことを考えていて、だから現実離れしたゴーレムやサンドワームといった幻想的な生き物が出るようにしたのかもしれない。
しかし流石にそろそろ耐性もついた気がするし、また新たなトンデモ生物を見ても驚かない自信があるぞっ!!
……い、いやハンスさんの言っていたマグマの中に住む生き物とやらが本当にいて火球やら炎やらを吐いてきたらまたビビってしまうかもしれない。
空を見上げながらそんなことを思っていると、不意に視界の隅で流れ星が煌めいた……ような気がした。
誤解かもしれないがせっかくだしお祈りでもしておこう。
……どうかそんな危険な遠距離攻撃持ちな野生動物が居ませんように……いたとしても攻撃的でない温厚な生き物でありますように……そ、それもダメならせめて機動力だけはヨワヨワでありますように……
今回名前が出た動物
デスワーム(サンドワーム)
リードシクティス(鯨)
ティラコレオ(コレオちゃん)