百八十九頁目
何とか最初の拠点に戻ったところで、あの子が飛びついてきて思いっきり泣きわめいて叩かれてしまった。
この大鷲が目覚めるまで時間をかけたから、当然のようにこの子も起きてしまったのだ。
そして俺が居ないことに気付いてから今までずっとパニックを起こしていたようで、最後にはもう二度とどこにもいかないように諭されてしまう。
こうなってはもう一度、サーバルちゃんを連れにあちらの拠点に戻れそうにはない……今の残る戦力で何とかしなければならない。
とりあえずフローラには持ってきた鉄の鎧を渡して襲撃時には着るように伝えたが、サイズを考えていなかったし重いからできれば着たくない様子だった。
そしていざとなれば自分の身を守れるようクロスボウも渡したけれど、こちらはあまり抵抗なく受け取ってくれた……海外の銃社会で生きていたからだろうか?
さて、後は持てるだけ持ってきた鉄資源とその他もろもろをどう生かすか考えていかなければ……。
百九十頁目
改めて現在の自分の戦力を見直すことにしたが、傷だらけのスピノとガメラにトト……そして一応健康体であるレオ君に大鷲の五匹だ。
もちろん主戦力となるのはスピノだが、鋭い爪と牙で出血させれるレオ君もまた並のラプトル程度なら簡単に蹴散らしてくれると思う。
大鷲も一対一ならラプトルには負けないだろう……その気にならば爪で掴んで空中に持ち上げて落としてやればいい。
本当にラプトルだけならば問題はないのだ……厄介なのはあの特殊なラプトルと、スピノだ。
多分明日の襲撃はさらに規模が大きくなるだろう、ならばそこにスピノが加わる可能性も十分にある。
今のところは姿が見えないけれど、もしも同時に襲撃されたら本当に厳しい戦いになりそうだ。
やっぱり非常時には飛んで逃げることも考えなければ……フローラに空の飛び方を教えておかなければいけない。
百九十一頁目
やはり大型の動物に抵抗があるのか、最初は怯えていたフローラだが空を飛べるのは少しだけ魅力的だったらしい。
恐竜みたいなフォルムのテラ君は怖いのか嫌だったみたいだが、モフモフな大鷲……地上を歩けるけれど空を飛んでばかりだからもうアルケン君と名付けた子は気に入ったようだ……名前以外は。
だからアルケン君のサドルに乗せて、建物のすぐ近くを飛ばせてみたが途中から遊具かのように笑顔で乗り回すようになった。
だけど余り高度を上げるのは怖いようだし、何よりこの拠点が見えない場所に飛んでいくのも嫌なようだ。
まして拠点の壁の外に着陸するのも絶対にごめんなようで、やっぱりこの傍を離れようとはしなかった。
それでも空を飛ぶことを覚えてくれたのは本当にありがたい……これなら命の危機が迫れば飛んで逃げることは可能になった。
これならば後顧の憂いも無く、俺はこの場所であいつらを迎え撃つことだけに専念できる……そんなことをして何になるのかとは思うけれど。
……いっその事、もう一度この子を眠らせてアルケン君で掴んでどこかに移動しようかとも考えたのは秘密だ。
【今回名前が出た動物】
アルゲンタビス(大鷲・アルケン君)
サーベルタイガー(サーバルちゃん)
スピノサウルス
カルボネミス(ガメラ・トト)
ティラコレオ(レオ君)
ユタラプトル
αラプトル(特殊なラプトル)
プテラノドン(テラ君)