三百八十八頁目
今日も朝早く目を覚まして外に出たところ、他の皆もほぼ同じタイミングで姿を現してきた。
せっかくなのでこのまま一緒に朝食でも取ることにして、寝ぼけ眼のルゥちゃんを女性陣がお世話しているうちに俺とハンスさんで食事の準備をしようとした。
その際に冷たい飲み物を用意しようと冷蔵庫を開いたのだが、何かほんの少しだけ違和感を覚えた。
ただその原因が何なのかは分からないし、ハンスさんは気にしてなさそうなので俺の勘違いかもしれない。
そう思って飲み物を取り出そうと手に取るとひやりと冷たく湿った感触が伝わってきた。
よくよく見てみれば容器の表面が結露して濡れている……冷蔵庫から出した後ならともかく入っている最中にこうなっているのも珍しい。
……ひょっとしてこれが違和感の原因だったのだろうか?
三百八十九頁目
まだ薄暗い中で朝食を食べながら、今日の予定を話し合う俺達。
するとソフィアとキャシーは今日から本格的に遠征を含めて野外活動を行っていきたいとのことだ。
昨日の時点で既に近くの山から希少素材を取って戻ってこれるようだし、確かに二人一緒なら遠征しても問題なさそうだ……と思う俺に対して何故かハンスさんが口をはさんできた。
強い口調でこそないが女性だけで余り遠くまで行くのは危険ではないかと言い、またポリマーの代用品が手に入ったこともあるので忙しくなりそうなクラフトの手伝いをしてもらえると助かるとも言うのだ。
最初の頃は苦手そうにしていた女性相手にハンスさんが意見を言えるようになるとはそれだけ打ち解けているし心配もしているということなのだろう。
果たしてそれを聞いた女性陣は少しだけ悩む様子を見せたが、すぐにハンスさんも含めて三人の視線が俺へと向かってくる。
……まあ一応リーダーとしてこういう時に判断を下すのはやっぱり俺の役目、ということなのだろう。
だから俺も少しだけ考えようとしたが、その前に近くでオウ・ホウさんと何か話していたルゥちゃんが元気よく手を挙げた。
曰く、モノづくりはルゥが手伝うとのことだ。
実際に簡単なクラフトならルゥちゃんはオウ・ホウさんに指示されながらだが立派にこなせているし、ならばハンスさんの手伝いだって出来なくはないはずだ。
まあ唯一素材回収は出来なそうだけれど、昨日皆で山に行って採取しているだけにそれこそ遠征しないと手に入らない原油と有機ポリマー以外は十分在庫があるという。
こうなると残る問題は女性二人で出かける危険性なわけだが、これに関してはどうせ同じく野外活動する俺が同行すればいいだけだ。
果たしてそう提案すると女性陣は嬉しそうに頷いてくれて、ハンスさんもそれならと納得してくれたようであった。
……うぅん、だけどハンスさんまだ心配なのかキャシー達を未練がましく見つめて……というかなんか主にキャシーの方ばっかり見ている気がするんだが、これも気のせいだろうか?