ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第611話

三百九十頁目

 

 話の流れで女性陣と一緒に活動することになったわけだが、正直なところ物凄く助かっていた。

 何せキャシーは動物の扱いが上手いから戦力として頼れる存在だし、ソフィアは観察力が高いため俺が見逃していることも事細かく教えてくれる。

 だからきっと今回の遠征では大胆に活動できるし、その閣下として多くの成果が上げられるだろうと半ば確信していた。

 

 こうなると元々やる気だった女性陣の勢いもあって、善は急げとばかりに早速飛び出そうとした……ところをハンスさんに呼び止められてしまう。

 どうやら渡したいものがあるらしく、慌てて走っていった彼は何スタックかの銃弾を持って戻ってきたではないか。

 恐らく昨夜火薬を調合した際にそのまま準備したらしいそれは前に俺がキャシーのお土産として持って帰ったリボルバー銃の弾丸のようだ。

 

 多分少しでも護身になればと用意してくれたのだろうそれを受け取ったキャシーは嬉しそうな声を漏らしたかと思うと、いつものようにハグしながらお礼の言葉を口にしていた。

 ……さっきの視線はこの銃弾を渡したかったからなのかな? だけどどうせなら俺やソフィアにも何か用意しておいてほしかったなぁ

 まあ俺は元々一人で活動できているし、ソフィアは積極的に戦闘へ参加するわけでもない。

 

 だからこの拠点に残っている中で一番矢面に立つであろうキャシーの分だけ先に用意してあったとしても納得できる話なのだが……キャシーのハグを受けて顔を赤くしながらも拒絶しないところを見ると……やっぱりただのエコ贔屓じゃないかなぁ?

 

三百九十一頁目

 

 拠点を飛び立った俺達はまず最初にソフィアが見たという建造物の確認を兼ねて、赤いオベリスク近辺を調べて回ることにした。

 具体的には山の頂上より高い位置を地形に沿うように移動しながら外周部の砂漠に意識を向ける……とすぐにソフィアがある方向を指し示した。

 果たしてそっちに目をやると確かに建造物……というよりも広大な遺跡のようなものが見えていた。

 

 ……空の上から見たら一発でわかるほど目立っているのに、幾ら外周部に意識を向けていなかったとはいえどうして今まで気づかなかったんだ?

 不思議に思うがそこで地上の方からアルケンが争う音が聞こえて来て、そこでようやく俺は初めてここに来た時のことを思い出した。

 あの時はまだアルケンを仲間にしておらずコレオちゃんで行き来していた……そして仲間にした後は希少資源が採取しやすいもう一つの小山の方ばかり行ってこっちには近づかなかったではないか。

 

 通りで手書きのマップではこの辺りが埋まっているのに外周部の情報は抜け落ちているわけだ。

 これはもっと他に見落としがあってもおかしくないと思いつつ、取りあえず遺跡は後回しにして探索を続けると再びソフィアが別の咆哮を指し示したではないか。

 そしてその先には見覚えのある谷がぽっかりと口を開いているではないか。

 

 その谷は青いオベリスクの方に向かって伸びていて、俺があっちで見つけた谷と繋がっているようだ。

 ……灯台下暗しとはこのことか……というかあっちでこの谷を見つけた時点でこの辺りまで続いてるって気づけよ俺ぇ……

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