三百九十九頁目
ポッドの形状と輝き方が何となくオウ・ホウさんのガイドロボットに似ているからかルゥちゃんが気に入った様子で弄っている。
どうせ使えないのだからこのまま彼女の玩具にしておこうと思う俺に対し、ハンスさんは未練がましくポッドを見つめ続けていた。
こんなはずでは、とぶつぶつ呟くハンスさんは恐らく結果的に素材を無駄にしてしまったことも悔やんでいるのだろう。
まあまた素材は取ってくるからと励ましてみるが相変わらず聞こえていないようで反応はなかった……俺に対してはだが。
次いでキャシーがドンマイドンマイと本場仕込みとでもいうのか流暢な発言で彼の肩を叩くと、途端に気落ちなどしていないと虚勢を張ろうとするハンスさん。
……これってやっぱり、そういうことなのだろうか?
それとも逆に女性慣れしていなかったからこその過剰反応とも取れるけれど……先にソフィアに話しかけて貰えばよかったかな?
四百頁目
万が一の落雷を避けて拠点内に留まっているがこうして時間を無駄に使うのも勿体ない。
だから久しぶりにクラフト作業に専念しようと思い、それこそ思いついたばかりのチェーンソーでも作ってみようとしたところでソフィアの叫び声が聞こえてきた。
慌てて皆で駆け寄るとソフィアは何故か冷蔵庫の中身を一つ一つ取り出して確認して回っているではないか。
一体どうしたのかと驚いたのも一瞬、すぐに何かが腐ったような匂いが鼻にまとわりついてくる。
果たして冷蔵庫の中身は日持ちするオリジナルのカスタム料理を除いて殆どが腐って駄目になってしまっていた。
ソフィア曰く、傍を通ったら冷蔵庫の稼働音が聞こえなかったらしくもしかしてと中身を確認したらこうなっていたとか。
言われてみれば確かに稼働音は一切していなかったけれどなんだって急に……い、いやそう言えば前に冷蔵庫の中身が結露していたような気が……まさかあの時点で故障していたというのだろうか?
四百一頁目
俺の予想とは裏腹に冷蔵庫を幾ら点検してみても故障している様子は全くない。
しかし全然中が冷えていないところを見ると稼働していないのは事実なわけで……前の島でも長く使っていたが、こんな症例は見たことがなく原因がいまいち把握しきれない。
同じくハンスさんも困惑した様子だが、ソフィアが繋がっている電源コードを指し示してコレが外れてたら駄目になるんですよね、と指摘してくれた。
確かに電源コードが断線していたら冷蔵庫が動かなくなるのも当然だ。
ひょっとして発電機が乗っているパララ君が何かしらの原因で動いてコードが切れた可能性がある、のかもしれない。
そう思い慌てて……でも念入りに外の様子を確認してからコードを辿っていくがやはりちゃんと発電機に繋がっていた。
砂のせいでか表面こそ傷ついているが故障している様子もないため、やはり何が原因なのか分からな……いやちょっと待て、なんか発電機が静かすぎないか?
そう気づいた俺は改めて目の前にある発電機を点検してみて、ちょっと蓋を開けただけで中から大量にこぼれだしてきた砂を見てようやく何が起きているのか把握することができた。
……発電機自体の故障……多分この砂が細かい隙間から中に入って発電機を駄目にしたんだ。