ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第616話

四百二頁目

 

 ある意味でこの砂漠特有のトラブルに直面し、もう何度目になるか分からないがこのARKの難易度を再確認する羽目になった。

 まさかこんな罠があるとは思ってもみなかった。

 この調子だと小まめに修理を繰り返さないと電化製品を使い続けるのは難しそうだ。

 

 しかし電化製品抜きだと……特に物が腐りやすいこの場所において消費期限を延ばせる冷蔵庫とまだ作れていないが温度調整ができるエアコン抜きで一体どこまでやっていけるというのだろうか?

 恐らく同じことを考えているであろうハンスさんも絶望しており、また電化製品の凄さを体験してしまった女性陣も困ったような顔をしているではないか。

 ……幾ら何でも流石に厳しすぎじゃないかこれは? それともこれもARKが暴走している結果なのだろうか?

 

 ただもしかしたらという思いでこの発電機の代用品となりそうな物をインプラントを見ながら考えてみたところ、一応風力発電ができる巨大な風車の作り方が思いついた。

 問題はこいつは風車の回転量で使える電力がコロコロ変化しそうという点と、余りに大きすぎて移動拠点の上に設置するのには向いていなさそうな点だ。

 ……まあ一応作るための素材は用意できなくもないし、取りあえずこの拠点分は作ってみて、それでどうなるか試してみよう。

 

四百三頁目

 

 大きすぎる風車のパーツをパララ君の背中にある粘土の壁で覆われた空間の中に設置されている旋盤で作りながら皆で手分けして組み立て作業を行っていく。

 何だかこうして巨大な設備を組み立てていると、前にフローラと二人で工業炉を組み立てた時のことが思い出される。

 ただ右手首の鉱石のお陰で感傷に浸ることもなく、むしろ逆にとある懸念からくる恐怖の方が湧き上がってくる。

 

 ……もしも工業炉や科学作業台も砂の影響を受けて故障するとしたら……あんなもん修理しまくってたらコストが高すぎて破産するわ。

 だけど流石に工業炉や科学作業台抜きでARKの攻略……正確にはオベリスクの奥にいる奴への対策手段を用意しきれるとは思えないし、左手首の鉱石を見ても代用品が思いつかない辺り流石に大丈夫だろう……だと思いたい……大丈夫であってください。

 そんなことを考えている間にも何とか風車は完成した……けど、まさかこれも砂の影響で故障したりする可能性が……でも代用品っぽいから流石に大丈夫、だよね?

 

四百四頁目

 

 風を受けて回り出した風車はサイズもあって、中々に壮観であった。

 思わず前後を忘れて見入ってしまう俺達だったが、少しして電線を繋ぎ始めると今度はちゃんと電気が通ってくれるかが不安になってくる。

 尤も杞憂だったようで電線を繋ぐなり沈黙していた冷蔵庫は再び中身を冷やし始めてくれた。

 

 ほっと一安心するが、心配なのはやはり風車が故障する可能性と……発電していることを示すランプの光量が強くなったり弱くなったりと中々安定しないところだ。

 まあ故障に関してはこれからはこまめにチェックして異変があればすぐに点検作業に移ることで何とか対策するしかないが、発電機のように安定していない発電量に関しては……実際に問題になった時に考えるしかなさそうだ。

 ……しかし目下最大の問題は、やはり非常時の回復手段であったメディカルブリューが殆ど腐って駄目になってしまったことだろう。

 

 ルゥちゃんが頑張って補填し続けてくれているが、命に直結する大事な物品だけに俺達も手伝って全力で生産に取り込んだ方が良いのかもしれない。




今回名前が出た動物

パラケラテリウム(パララ君)
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