四百八頁目
早速この子を雌個体のところへ連れて行きたいところだが、散々捕獲作業をしていたこともあり辺りは薄暗くなりかけていた。
またメディカルブリューなどの在庫が少ないこともあり、今日は早々と野外作業を止めてクラフト作業に専念した方が良いだろうと判断する。
そうして皆で拠点へと戻ったわけだが、牧場に放たれている二桁に及ぶ中型~大型の肉食の威風堂々たる姿に女性陣……特にキャシーが感嘆したような声を漏らす。
どこか嬉しそうにそろそろ牧場の増築が必要デスネーなどと呟いているが、それに対してソフィアは少しばかり悩む様子を見せながら俺達にとあることを提案してきた。
少し前にラプトルの群れを数匹だけで蹴散らしたカルノンとユウキィの強さを見て、この子たち全員でやればゴーレムを倒せるのではないかというのだ。
或いはもし駄目であっても全滅する前に逃げるぐらいはできそうだし、そろそろ一度交戦してあのゴーレムの強さを見極めておきたいらしい。
……確かに言われてみれば前にオベリスクの奥にいた生き物ですら、ドラゴンという例外以外は数の暴力によって予想以上にあっさりと倒せてしまったではないか。
まして幾ら強敵といえども野生に発生するゴーレムはオベリスクのボスよりは弱いだろうし、やれなくはなさそうな気もする。
しかし同時に脳裏をよぎるのは同じく野生にいたギガノトの姿……あいつは攻撃範囲の広さと鋭い牙による出血もあって、余程の戦力がない限り数で押しても一方的にやられてお仕舞だろう。
もしあのゴーレムが俺の知らない出血やドラゴンのブレスのような攻撃方法を持っていたとしたら返り討ちもあり得る……が、そうだとしてもソフィアの言う通り交戦してそういう能力があるかを早めに見極めておいた方が良いのは事実だ。
そう思う俺にソフィアは更に戦いの中であのゴーレムを仲間にできるかどうかも確かめたいし、また有機ポリマーの前例を出し倒した後で取れる素材も知っておきたいという。
もちろんあの幻想的な生き物の捕獲と聞けばキャシーも黙っておらずぜひともやりましょうと息巻いている。
……そうだな、戦っておくべき理由は十分あるし……やってやろうっ!!
四百九頁目
ゴーレムと戦うと決めたわけだが、流石に暗くなりかけている中で挑むのは命取りだ。
だから明日の朝一番にこの近辺にいるゴーレムの中からタイマンできそうな位置にいる個体を選んで戦うことにした。
そうと決まれば明日の戦いの準備が必要となる。
早速拠点へと戻るとメディカルブリューとサボテンスープの制作に精を出しているハンスさん達の元に行き事情を説明するが、それならば余計に薬は必要だろうとメディカルブリューの制作を重点的に行ってくれるようになった。
もちろん俺達も協力しようかといったが断わられた……まあ流石に完全に日が暮れた後のクラフト時間ならば文句を言われないだろうと思い、それまでは必要な動物の見繕いと準備にかかることにした。
必要となるのは主戦力&勇気を与える咆哮で仲間を鼓舞できるユウキィ三体に加え同じく主戦力となるカルノン九体、そして矢面に立ち傷ついた動物達の回復要因となる豚も必須要因だ。
それとちょうど臨月でそろそろ子どもが生まれそうなコレオちゃんとそのお相手出会ったレオ君は残していくとして、残るもう一頭のティラコちゃんは念のため連れていくことにした。
またアルケンで運べないからと放置していたワニも俺の知らないうちにキャシーか誰かが連れて戻っていたらしいが、この子と前に護衛に連れてきたサーベルタイガーもこのまま留守番させておいても役に立たなそうなので一応連れていく。
以上合計十六匹からなる動物編成軍に加え、一応遠くから俺達も弓とクロスボウと銃で援護する予定でいる。
これだけの大人数で掛かれば幾らゴーレムが硬くとも一体だけなら撃破できる気がする……が、とにかく犠牲を少なくなるよう頑張ろうと思う。
今回名前が出た動物
ユタラプトル
カルノタウルス(カルノン)
ユウティラヌス(ユウキィ)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ドラゴン
ギガノトサウルス
ダエオドン(豚)
ティラコレオ(コレオちゃん、レオ君、ティラコちゃん)
アルゲンダヴィス(アルケン)
カプロスクス(ワニ)
サーベルタイガー