ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第620話

四百十頁目

 

 動物の準備も終わり後は持ち込む道具の整理だ。

 尤も基本的に戦闘は動物に任せて俺達は安全な遠距離から攻撃するぐらいなので、薬以外で必要となるのは予備の弾薬と防具ぐらいのものだ。

 だから俺の使っている高品質の弓とキャシーの使っている同じく設計図から作ったそれなりに品質の良いリボルバー式の銃の手入れをしつつ、矢と弾を作れる限り用意しておく。

 

 もちろんソフィアの使うクロスボウもチェックするが、こちらは原始的な品質である上にソフィア本人が余り武器を使い慣れていないため戦力にはなりにくいだろう。

 そのため明日も彼女には周りの警戒を主に担当してもらうつもりでいるが、当の本人は申し訳ないのか何か役に立つ物がないか荷物をゴソゴソと漁りまくっている。

 尤もそんな都合の良い武器が転がっているわけがない……余分な武器をわざわざ作っておいて放置するような勿体ない真似はしていないのだから。

 

 それでもソフィアは何か見落としがないかとばかりにあちこち探し回り、果てはルゥちゃんの傍に居る元軍人であるオウ・ホウさんに参考になりそうな意見を求め始める始末だ。

 そんな彼女にオウ・ホウさんはどこか優し気な……聞き覚えのある声で簡単なアドバイスをし始めた。 

 ……ああ、そうだこの喋り方は俺がフローラを失って絶望していた頃の……あの時からずっとこの人には頼りっぱなしだ。

 

 いつかはこの人に認められるぐらい立派になりたいものだ……なんて思っている俺の前でオウ・ホウさんは前の島での俺の立ち回りこそが見事な参考例となると言い出したから何だか恥ずかしくなってしまう。

 だからついつい会話に割って入ろうとしたが、その際に前の島で最終的に使っていた武器について言及が及び……何かが引っかかった。

 ……確か最終的に使っていたのは一番効率的に敵を倒せるポンプアクション式のショットガンだったはず……ってそうだっ!! 壊れてるけどあの時使ってた最高品質のショットガンはオベリスクから回収できてたじゃないかっ!!

 

四百十一頁目

 

 前の島で惜しげもなく大量に素材をつぎ込んで作り上げた高品質のポンプアクション式のショットガンはティラノですら簡単にハチの巣にできる威力があった。

 だからもしあれを修理して運用できれば物凄い戦力になる……はずなのだが、どうやら緑のオベリスクの麓に作った拠点に残してきてしまったようだ。

 もう暗くなっているから取りに行くわけにもいかず何とも口惜しい限りだ。

 

 ……尤もあの高品質品を修理するには作った時ほどではないが、それでも原始的な品に比べて異常な素材の量を要求されることだろう。

 それこそ大量の素材を一瞬で加工できるレプリケータすら備えていた当時の俺達だから運用できていたのだ。

 そう考えるとやはり今すぐとってくる必要ななさそうに思えるのと同時に、やはり早く科学作業台と工業炉が欲しくてたまらなくなってくる。

 

 あの二つさえ揃ってしまえば素材の大量生産が可能となり更なる発展が望めるのだが、それらを作るための素材も大量に必要なので近いようでなかなか遠いのがもどかしい。

 ……しかし当時は今の俺達ぐらいの段階でも洞窟を幾つも見つけられていたんだがなぁ?

 谷間というそれらしい候補地こそ見つかっているがそれにしても一つだけ……前の島では十個も洞窟があったことを思えば、ちょっと異常すぎる気もする。

 

 ……もしかしてこの地には洞窟は存在しない可能性が? いやだけど緑のオベリスクには確かに三つのアーティファクトをはめ込む隙間が空いていたはずだ。

 他の二つは特に調べていないがつまり最低でも三つは洞窟があるはずなのだが……幾ら何でもあーてファクトが地上のどこかに剥き出しで置かれていたりするとは思えないのだから。




今回名前が出た動物

ティラノサウルス
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