ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第624話

四百六頁目

 

 ルゥちゃんも少しずつ成長しているように見えるし、またこの過酷な大地で今後も生きていくことを考えると一人でも多少は活動できるようになっておいてもらいたい。

 だから心配ではあるが今回は初めてのお留守番をしておいてもらうことにした。

 手元には無線機を常に用意するように言い、何かあればすぐに連絡するよう言い含めた上で大人しく待っているように言うと素直な返事が返ってくる。

 

 ……しかし自分で決めておいて心配すぎて、ついつい拠点の外に出てからもこちらにブンブンと手を振って見送るルゥちゃんを何度も何度も未練がましく振り返ってしまう。

 そんな俺を見てソフィアとキャシーが小さく笑い声を漏らす……まるで過保護なお父さんみたいデスネーとはキャシーの言葉だ。

 だって心配なんだもの、仕方がないじゃないか……なんて思う俺に対し女性陣はむしろルゥちゃんなら大丈夫だと信じているのか、そこまで心配そうではなさそうだった。

 

 多分やってきた時代による価値観の差に加えて性別の差……自分達が同じ年齢の頃と比べて留守番ぐらいならと考えられる点もあるのだろう。

 ……ちなみにハンスさんは一応まっすぐ乗れるようになってはいるが、俺達に遅れないようアルケンを操るのに必死なようであった。

 まあ地上を追従させているユウキィ達と逸れないようゆっくりと進んでいるのだが……やっぱりハンスさんは野外活動よりクラフト方面が向いているようだ。

 

四百七頁目

 

 問題なくいつも水晶などを採取する山の傍までやってきた俺達は、望遠鏡で手ごろな位置にいたゴーレムに狙いを定めた。

 その上で改めてユウキィとカルノン達を前面に展開した上で、弓矢が当たるギリギリの位置から射抜いてやる。

 途端に擬態を解いて地上に顔を出したところを、再び弓矢で打ってこちらに気づかせると……まずは一旦全力で引き下がりにかかる。

 

 その際に投石が何発か動物に当たると、その威力の高さにカルノンやユウキィと言った強い方の肉食ですらかなりの傷を負ってしまう。

 尤も即死しなければ豚で多少は回復できるから取りあえず戦力としては問題ない。

 ……本当は今すぐにでも攻撃の指示を出したいところだが、傍に居る別固体のゴーレムまで目覚めさせて大乱戦となったらそっちの方が不利だ。

 

 だから多少の被弾は覚悟の上で、とにかく邪魔が入りにくそうなところまで誘き寄せるのが最初の目的だった。

 更にその最中で麻酔矢を打って向こうの様子を確認するが、どうも効果がないのか全く反応する様子はない。

 これは仲間にできない生き物に似たような反応であり、やっぱりゴーレムは強すぎるからか仲間にはできないようである。

 

 少し残念に思いながらもおびき寄せ作戦を続けていると、鈍重ながらも確実にこちらに近づいてきたゴーレムがついに他の未だ擬態しているゴーレム達から離れて孤立し始めた。

 この隙を逃すまいとついに俺達は総攻撃の指示を出した。

 早速ユウキィが高らかな咆哮を上げ、それに勢い付いた仲間の中でまずは足の速いカルノンがゴーレムまで到達して攻撃を開始……んんっ!!?

 

 な、なんだっ!? 派手に血が飛び散り始めたぞっ!? まさかあのゴーレムには攻撃を反射する能力が…………ってあれ?

 ……ひょっとしてあの血って、ゴーレムの返り血なのか? な、なんだよあいつあんな身体で赤い血潮が流れてんのかよぉっ!!?




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
ユウティラヌス(ユウキィ)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
カルノタウルス(カルノン)
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