百九十四頁目
凄まじい物音と振動で飛び起きた俺は、鎧を着る手間も省いて外へと飛び出してテラ君で周囲を確認したところで絶句してしまう。
ものすごい数のラプトルの群れが、何匹もの特殊なあのラプトルに率いられて攻めてきている、そこまでは予想の範疇だった。
そして別の方角からスピノが迫ってくるのもまだ予想は出来ていた……ただその数が二匹同時だとは思わなかったのだ。
こちらにはスピノが一匹だけで、他の仲間と協力したところでこれらの戦力を迎え撃つのは絶対に不可能だ。
だからフローラにいつでも逃げれるようアルケン君に乗っておくよう指示を出して……だけど彼女は怯えて毛布に籠ってしまう。
幾ら何でも彼女を置いて一人で逃げるわけにはいかない……彼女が正気を取り戻すまで踏ん張るしかない。
百九十五頁目
無数のラプトルがわざと作っておいた入り口に殺到しては、片っ端からスピノに叩きのめされていく。
この辺りの壁を金属の壁に張り替えて補強していたおかげであの特殊個体のラプトルでも流石に崩せずにいるようだ。
だからこっちは今のところ問題はない……やはり困るのは別の方向から迫るスピノ二匹だ。
こいつらもティラノと同様に石で作った壁は壊せないようだが、無理だと判断するとぐるぐると拠点の周りを旋回して壊せそうな場所を探し出そうとする。
資源不足で防壁の中には木材がメインの箇所もあり、そこを壊されてなだれ込まれたらお終いだ。
だから俺は……ガメラとトトが出入りできる隙間を開けて彼ら二匹にスピノを引き付けるように命令を下した。
間違いなく生き残れないだろうけれど、時間稼ぎにはなるはずだ……最悪な発想だけれどそれしか思いつかなかった。
亀二匹が出て行った隙間からはラプトルが侵入して来ようとするけれど、こちらはレオ君が倒してくれるから何とか持つだろう。
何とか拮抗できている今のうちにフローラが正気を取り戻してくれればいいのだが……。
百九十六頁目
大体の雑魚であるラプトルの掃討は終えることができた……しかしそれは新たな絶望の始まりでしかなかった。
何せ余計な個体が居なくなったことで、特殊なラプトルが前面に出てスピノとぶつかり始めたのだ。
たった一匹ですら苦戦したのに、それが何匹も同時に襲い掛かってきては流石のスピノでも長く持ちそうにない。
まして前の傷が未だに癒えていないのだ……レオ君にも攻撃に加わるように指示を出したが焼け石に水だろう。
もちろん俺もクロスボウで矢を放ってはいるが、これ以上はどうしようもない。
何せ残っているのはアルケン君だけなのだが、こいつには非常時にフローラを運んでもらわなければならないのだから前線に出すわけにはいかないのだ。
……その肝心なフローラが外にすら出てきてくれないから困ってしまうのだが。
百九十七頁目
敵のスピノが、壁を、こっちのスピノはやられて………………くそっ!!
百九十八頁目
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいわたしのせいでごめんなさいごめんなさいごめんなさいしなないでしなないでおねがいだからわたしをひとりにしないで
【今回名前が出た動物】
ユタラプトル
αラプトル(特殊なラプトル)
スピノサウルス
アルゲンタビス(アルケン君)
カルボネミス(ガメラ・トト)
ティラコレオ(レオ君)