四百十七頁目
キャシー達もすぐ傍まで近づいているようなので、後のことは合流してから話すことにして一旦無線を切った。
するとそのタイミングでソフィアがあっ、という声を漏らしたかと思うとある方向を指し示した。
すぐにそちらへ望遠鏡を向けるが幾ら観察しても目ぼしいものは何もない。
首をかしげながらソフィアを見ると、彼女は何やら困ったような顔をしながら首を横に振って見せた。
どうもあの地点から妙な光の反射があったらしいが俺が視線を向ける前に消えてしまったとのことだ。
ただあの反射の仕方には見覚えがあるらしく、ソフィアは恐らくだけれどと前置きした上で……誰かが望遠鏡を使っていたのだろうと言うのだ。
即座に俺の脳裏にじゃモーリツさんの姿が思い浮かぶ。
……彼がこの辺りを監視しているのか……だけどこの辺にある目ぼしい物と言えばゴーレム、が鎮座する俺の拠点があった場所ぐらいだ。
元々胡散臭いと感じる人ではあったが、もし本当に彼だとしたら一体全体何を考えているのやら……?
四百十八頁目
まだ望遠鏡でこちらを見ていた人が傍に居るのか、それとももう立ち去ってしまった後なのか……それを調べる前にドシドシとした重量級の足音が聞こえてくる。
果たして振り返ってみれば、キャシーの操る移動拠点がこちらへと近づいてきている。
その周りには俺が連れてくるよう頼んでおいたユウキィとカルノンの群れに加えて豚が傷を癒す輝きを発しながら付き添っている。
また空にも追従させていると思わしき三匹のアルケンがおり、更には近づいて来て見えるようになったパララ君の背中にも動物の姿がある。
一体はルゥちゃんをお腹の袋に収めているカンガちゃんであり、それに並ぶように鎮座しているもう一体はTEKラプトルだ。
どうせ緑のオベリスクに連れていくことになるのだからと、わざわざ連れ出してくれたようだ。
しかも貴重な動物だと知っているからか、他の動物とは違い安全な移動拠点の背中に乗せてまで……ありがたい限りだ。
四百十九頁目
合流した俺達に何故かキャシーが真っ先に頭を下げてきた。
何でももう少し早くここに到着できたのだが、途中で赤いカプセルが落ちてくるのを見て寄り道していたらしい。
……確かに幾ら飛行生物と陸上生物の差があるとはいえ、時間を潰してから移動した俺達に比べてちょっと遅いなぁとは思っていた。
尤もカプセルの回収自体は有意義だし別に咎める様な事でもない。
だから気にしてないと告げつつ一応回収したものを尋ねてみると、キャシーは何とも言えない様子で重火器の弾らしいが自分には良く分からなかったので詳しくはハンスさんに聞いて欲しいという。
……仮にも銃が登場している時代から来たキャシーが違和感を覚える重火器の弾と聞いて余計に理解できないらしいソフィアは首をかしげるが、俺には何となく答えが分かった気がした。
同時にもし想像通りの武器ならば今抱えている一つの悩みを解決できるかもしれないと急いで旋盤の前にいるハンスさんの元へ赴く。
果たして彼の足元には前の島でとても見覚えのある懐かしいロケット弾が転がっているではないか。
……忘れられないこのフォルム、前の島ではクソ害悪な穴に隠れて飛びかかってくる奴を炙り出すのに重用していたっけなぁ。
感慨深く眺める俺の前でこちらに気づいたハンスさんが振り返るが、その手元には作ったばかりであろうロケットランチャーが握られているのだった。
どうやらハンスさんも俺と同じ考えに至ったようで、わざわざ一発しかないロケット弾を打ち出すために作ってくれたようだ。
……爆発して衝撃の強いロケット弾なら大砲の代わりになる……これを使えば取りあえずゴーレムが本当に仲間にできそうかの検証だけは行えそうだ。
【今回名前が出た動物】
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ユウティラヌス(ユウキィ)
カルノタウルス(カルノン)
アルゲンダヴィス(アルケン)
パラケラテリウム(パララ君)
プロコプトドン(カンガちゃん)
TEKユタラプトル
プルロヴィア(クソ害悪な穴に隠れて飛びかかってくる奴)