四百二十頁目
ソフィアの観察眼はもはや見事としか言いようがない。
実際にゴーレムを討伐する前に試してみたところ、確かにロケット弾が頭にぶち当たり爆風を受けたゴーレムは眩暈がしたように身体をぐらつかせたのだ。
その仕草は間違いなく前の島で超巨大な草食が見せたものとそっくりであり、もっとたくさん同じ衝撃を与えてやれば同じように気絶するはずだ。
ただやっぱり今の時点では素材的に厳しい……ロケット弾ですらポリマーやセメントといった希少資源を必要とするのだから。
それにこの最初の拠点を破壊してくれたゴーレムは俺の仲間だったカルノンだけでなく、恐らく人間の命も奪っている個体だ。
幾ら孤立していて捕獲するのにちょうどいい相手だとは言え、それを仲間にするわけにはいかない。
だから連れてきた動物で総攻撃をかけるが前よりも少しだけ苦戦してしまう。
その原因はコレオちゃん達が居ないから……あの子達は洞窟攻略のために数を増やさなければいけないため繁殖させるためにもあえて今回は牧場に置いてきたようだ。
出血できる攻撃はカルノンでもできるからそれでも問題ないかと思ったが、攻撃する箇所の違いによるのかそれとも単純に出血量の差か結構粘られてしまった。
それでも何とか倒すこと自体はできたが、まだ傷が癒えていなかったカルノンが一体やられてしまった上に前以上にみんなボロボロになってしまった。
……やっぱりゴーレムは舐めて掛かっていい相手ではないみたいだが、逆に言えばもう今の俺達なら動物の犠牲を恐れなければ問題なく倒せる相手とも言えるわけだ。
こうなると残る厄介な障害はワイバーンとサンドワームぐらいだが、あいつは生息地が限られているみたいだしこれからはもっと大胆に動ける……ようになるかもしれない。
四百二十一頁目
取りあえずゴーレムを倒し終えたところで豚が仲間達の傷を癒す時間も兼ねてしばしの休憩を取ることにした。
尤も休憩とはいっても身体こそ休めているがこの後どうするのかの話し合いはしておくことにした。
何せ本来の予定ならばここにあった拠点で今日は休むつもりだったのだが、ゴーレムが完全粉砕してくれたおかげでそういうわけにもいかなくなってしまった。
だからこの後どう動くかについて相談しているのだが、出てくる意見としてはこの場所に再び拠点を作り直すか諦めて青いオベリスクの傍まで言ってしまうかの二択であった。
……明日以降のことを考えるのならばもう青いオベリスクを目指してしまった方が時間効率的には良いかもしれない。
だけどこの場所に拠点を作っておくと引っ越し先としてだけでなく、後から来た人が助かる可能性も生まれてくる。
実際にそれで命を救われたハンスさんもそれには同意見なようであり、また逃げ込む場所もないまま狼に追われた経験を思い出したらしいキャシーとソフィアも頷いてくれた。
唯一ルゥちゃんだけは良く分かっていなさそうであるが、何か手伝えることがあるなら頑張ると無邪気に言ってくれている。
……よし決まりだ……やっぱり後から来る人のためにもここにしっかりとした拠点を作っておこう。
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
カルノタウルス
ティラコレオ(コレオちゃん達)
ファイアワイバーン
デスワーム(サンドワーム)
ダエオドン(豚)