ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第640話

四百三百二頁

 

 最後にモーリツさんはまたこの拠点の付近を通った際に望遠鏡で合図を送るので、そのタイミングでお互いに都合が合うようならば顔を合わせようと約束して別れた。

 またその際に無線が余っているようであれば取引という形でもいいから分けてもらえるか検討しておいてほしいとも言われたが、この辺のことはみんなと相談して決めようと思う。

 ……ただそんなことよりも俺はモーリツさんの会話の中で考えさせられた正しい常識という概念が気になって仕方なかった。

 

 俺はフローラを始めとした大切な仲間達と協力し合ってやってきた自分の生き様が間違っているだなんて欠片も思わない。

 だけどそれが誰にとっても通じる絶対的に正しい生き方かと言われて頷けるほど傲慢にもなれない。

 ……同時に俺の生き方がこの環境において最も適していて、最も生存確率が高くなるやり方かなのかも自信はない。

 

 何せ実際に大事な仲間であるフローラとオウ・ホウさんという犠牲は出てしまっているのだ。

 いやもっと言えば偶然助かった局面だって多い……それこそ少し前のワイバーンに追われた時などは途中で野生のモスラの同種が割って入らなければどうなっていたことか……。

 だから多分モーリツさんの言う通り、生き残るだけが目的ならばそれに特化した生き方をしているトライブを探して回るのも間違っていないのだろう。

 

 ……だけど正直なところ、俺はARKで出会った人全員と手を取り合い協力してやっていきたいと考えていただけに彼との会話で受けたショックは大きかった。

 そしてもう一つ、俺は気が付かないうちに同じトライブに所属する仲間に対して俺の価値観に沿って動くよう押し付けてしまっていたのではという思いも湧き上がってくる。

 だとしたら俺はどうしようもなく傲慢な……痛っ!?

 

 そんなことはないって言ってくれるのかいフローラ? そうならいいけれど俺は……痛ぅぅっ!?

 ……はは、こんなに何度も痛みを送ってくるのは前にエレメントで暴走してた俺を諫めてくれた時以来かな?

 どうも弱気になり過ぎてたみたいだね……でも大丈夫、あの時みたいなことにはならないよう頑張るからまた何かあったらそうして教えてくれ。

 

 ……そしていつもありがとうフローラ、君に会えて君と愛し合える関係になれて本当によかったよ……それだけは絶対の自身を持って言えるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけどちょっと待って、よく考えたらキャシーに抱き着かれた時もこのぐらの痛かった気が……い、いやせっかくの雰囲気が台無しになりそうだし忘れておこう。




今回名前が出た動物

ファイアワイバーン(ワイバーン)
リマントリア(モスラの同種)
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