ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第642話

四百三十六頁目

 

 全てを告げたことで今後の方針についての相談もやりやすくなった。

 そうして最初に話し合って決めたのは今後は単独行動を控えめにしようと言うことだ。

 それは新しく来る人との交流に対する警戒もあるし、まだワイバーンやサンドワームという戦力が未知数である強敵が居るこの砂漠で安全を確保するためでもあった。

 

 また出来るなら女性だけで行動せずに男である俺かハンスさんを伴っておこうという話にもなった。

 もちろんこれは邪な欲望を向けてくる男への牽制を兼ねてのことであるが、果たしてこれを聞いたキャシーとソフィアは素直に受け入れてくれた。

 特に一番衝撃が大きかったらしいソフィアはコクコクと何度も首を縦に振っていて、またその際に俺の方をじっと眺めてくる。

 

 これは多分ハンスさんが頼りないからというわけではなく、単純に何だかんだと二人で行動する機会が多かった俺と一緒の方が落ち着けるとかそういう理由だろう……だから安心して痛みを抑えてくれていいんだよフローラぁ。

 ま、まあそれはともかくハンスさんの方はソフィアの視線に気づくこともなくキャシーの方をチラチラ眺めながら私達が力にならねばと自分に言い聞かせるように呟いている。

 ……尤もキャシーはショックを受けていたソフィアを気にしているようであり、ソフィアにも護身用に自分と同じ拳銃を用意してはと提案してくる。

 

 確かに拳銃が使えれば男女の体格の差など簡単に覆せるだろうが咄嗟に使えるぐらい慣れていないと意味がないどころか奪われて余計にヤバい結果になりかねない。

 ただ獣からの護身にもつけると思えばやっぱり作っておいてあげた方が良いだろう。

 そう思ってキャシーの提案に頷いてみせるが、ソフィアは重火器と言う危険な物を持ち歩くことにも、またちゃんと使いこなせるかも不安なようでもあった。

 

 そんなソフィアにキャシーは手取り足取りとわざわざ強調してまで付きっ切りで練習に付き合うつもりのようだが、どうせならハンスさんとルゥちゃんにも慣れておいてもらおうかな?

 

四百三十七頁目

 

 取りあえず予定を変更して今日のところはこのままここに残り、皆の分の重火器の生産と使い方の練習に費やすことにした。

 そのためにわざわざ敷地内に前の島でも使っていたトレーニング用の人形を作って設置することにした。

 何だか物凄く懐かしい……かつてこれで俺とメアリーはオウ・ホウさんの指示の元に色々と訓練したものだ。

 

 これの損傷具合で武器の細かい威力を調べ回ったのも懐かしい記憶だが、その際に緑のオベリスクの拠点に残していったであろう壊れたショットガンを思い出す。

 今の俺達では補修しきれるだけの材料が確保できるかは分からないが、一応回収しておいた方が良いだろう。

 またTEKラプトルの繁殖に関しても試したいところだし、みんなが練習している間に俺だけでパパっと行って戻って……というわけにはいかない。

 

 先ほど一人で行動しないと皆で話し合って決めたばかりなのだから……効率より俺を含めたトライブ皆の安全を優先しないとな。




今回名前が出た動物

ファイアワイバーン(ワイバーン)
デスワーム(サンドワーム)
TEKラプトル
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