ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第645話

四百四十一頁目

 

 今回の建造物の塊は前に赤いオベリスクの近辺で見かけた建造物の跡地に比べて規模は小さそうであった。

 ただ望遠鏡で覗き込んでみると前に日記を見つけた寺院風の建造物が結構形を保ったまま残っている。

 つまりあそこには日記ぐらいは隠されていそうなわけで、ソフィアは既に興味津々とばかりにいつ行きますかと尋ねてくる。

 

 どうやら行くのは決定事項らしい……まあ確かに日記から得られる情報も意外と役に立っているし、言った方が良いのは事実だ。

 何より今すぐ行こうと言わないだけ十分冷静に考えられているとは思う。

 ただ少し前にはワイバーンに追いかけその後には邪な生存者がいるかもしれないという話を聞いて、それぞれ顔色を悪くするほどの衝撃を受けていたにも関わらずよくぞまあこれだけの気力が残っているものだ。

 

 ……いやひょっとして内心ショックが残っているだけに自分を鼓舞しようと無理に明るく振舞っているのではないか?

 ついそんな心配をしてしまいソフィアに大丈夫かと尋ねてしまうが、一瞬訳が分からなそうに首を傾げた彼女はすぐに意味を理解したようで大丈夫だと力強く頷いて見せた。

 そして心の底から信頼できる頼りになる人が傍に居ますから私は安心してますよ、と言ってくれて俺もまたソフィアに信頼されている事実に嬉しくなる。

 

 ……だけどだからこれは仲間としての信頼関係であって恋愛感情とかの意味じゃないから痛くしないでねフローラ……そしてそんな俺の顔をじっと見つめてるソフィアもわかってくれてるよね?

 

四百四十二頁目

 

 新たな発見も仲間達と共有した上で行動方針を決めようと、元々の予定通り皆の待つ拠点へと戻ることにする。

 その際に何気なく地上を眺めていると、コレオちゃんの同種が二匹ほど瘤付きを追いかけているのを発見した。

 常に麻酔矢は持ち歩いているし、また俺とソフィアが乗っているアルケンでちょうど二匹とも運搬できる。

 

 この後に控えている洞窟攻略やまたゴーレムと戦う際にも役立つ子なだけに、ここはぜひとも仲間にしておきたい。

 もちろんソフィアも俺の意見に賛成してくれたので、早速二人で協力しての捕獲作業に移る。

 厄介な他の肉食が居ない場所を見計らい、ソフィアに一匹ずつ持ち上げて引き離したうえで、そこを俺が麻酔で打ち抜いてやるのだ。

 

 ただ掴み上げられているとはいえコレオちゃんの同種は必死に抵抗するため、出血を引き起こす鋭い爪で引っかかれたアルケンはそこそこ傷ついてしまう。

 だから一匹目を捕まえ終えると俺の傷ついていないアルケンと交換して二匹目も同じようにすることで、何とかアルケンを失わずに二匹とも眠らせることに成功した。

 後は餌をあげて懐いたこの子達が起きるのを待つだけ……いや一応他の肉食に無防備なところを襲われないよう警戒しておかないとな。

 

 尤もこの子を狙って襲ってきそうな相手なんてティラノ辺りしかいなさそうだからそんな心配は……なんて思っていた俺の隣で急にソフィアが騒ぎ出した。

 慌てて気を引きしめて彼女の指し示す方へ視線を向けるとそこにはとんでもない肉食、ではなくただの井戸があるばかりだった。

 ……って違う違うっ!! 井戸って言えばまごうことない人工物じゃないかっ!! つまりあれは生存者の誰かが居るってことじゃないかっ!?




今回名前が出た動物

ファイアワイバーン(ワイバーン)
ティラコレオ(コレオちゃんの同種)
アルゲンダヴィス(アルケン)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラノサウルス
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