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キャシーの情熱的な熱意ある指導のお陰か、ソフィアは驚くほど速く銃の腕を上げていった。
というより最初の数発こそ初めて受ける銃の反動などのせいで駄目駄目だったが、それに慣れてしまうとかなりの精度で的に弾を当てられるようになった。
恐らくこれはもともと高かった観察力の高さが、自然と狙いを定めるのにも一役買っているのだろう。
そうしてみるみる成長するソフィアにセクハラ一歩手前な感じの指導をしているキャシーも喜びの声を隠さないまま、ますます身体を密着させて細かく持ち方など教えようとしている。
そんな色々と熱心過ぎるキャシーの指導についていくの精一杯なのか、ソフィアは疲労したように或いは羞恥からかもしれないが顔を赤くして荒い吐息を漏らしていた。
……というかここまで上達したら後は細かいところは自己流で育てても良い気がするのだが?
実際に俺と同じ思いを抱いたのか近くでぐったりしていたはずのハンスさんはいつの間にか立ち直ると続きを頼みたいとキャシーを見つめて頼み込んでいる。
しかしキャシーはもう少しソフィアの指導をと口にして……しかしそこでソフィアはどうせだから他の人からもアドバイスを貰いたいと言ってこちらへと視線を向けてくる。
まさか急に水を差し向けられると思わなかった俺は思わずドキッとしてしまうが、そんな俺の気持ちも知らないソフィアはそのまま……後ろにいたカンガちゃんの傍に浮かぶオウ・ホウさんに声をかけた。
時代の差はあれど戦乱の中を生きてきた人の目からアドバイスがあれば教えて欲しいと頼み込むソフィアの声が何だか少し緊張しているように聞こえたのは気のせいだろうか?
……そういえばソフィアはオウ・ホウさんが三国志時代の武将だって知って結構気にかけていたっけなぁ……けど君の後ろでキャシーが物凄く複雑そうな目をしてるんだけど……そしてその後ろではハンスさんがキャシーを……何だか面倒なことになったと思うべきか、巻き込まれなくてよかったと考えるべきか……。
なおオウ・ホウさんはそんな視線の連鎖に気づいているのかいないのか、自分は傍に居るルゥちゃんから目を離せないから指導ならば立派な戦士に育った俺に聞けと……ま、巻き込まれたぁっ!?
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つ、疲れた……こんなに疲れたのはいつ以来だろうか?
結局あの後、ソフィアを指導することになったのだが彼女は寄りにもよってそれまでキャシーから教わっていたやり方を試みてきたのだ。
つまり俺に身体で密接に触れ合いながらの指導を……更には反動やらなんやらのせいか抱き着かれたりもして、その度に右手首ががが……。
更にキャシーからもジィっと何とも言えぬ視線を向けられて……肉体的にも精神的にも本当に大変だったよもう。
……全く俺がフローラ以外に懸想するわけないんだから心配なんかしなくていいのに。
尤も不安になっても仕方がないともわかっているから強くは言えないのだが……しかし本当に今日は疲れたよ。
もうベッドに入って目を閉じればすぐに眠れそうなほ……ど……Zzz…………
追記?
何度も何度もごめんね、嫉妬深くて。
だけどやっぱり直接触れ合えないし言葉も躱せないから不安で……それに二人とも凄く可愛いくて良い子なんだもん。
だからつい我慢できなくて久しぶりにこうして出てきちゃった。
それでたまたま起きてたソフィアさんと色々お話しできて少しだけ安心出来ちゃった。
これからはもう少し嫉妬しないよう頑張るから……けどキャシーさんのあの立派過ぎるアレは……見惚れちゃだめだからねっ!!
……まあそれはそれとして、ソフィアさんに教えてもらった生態を参考に二人であの動く岩とワイバーンの捕獲に役立ちそうな建築物を考えておいたから、もし利用できそうならしてみてね?
じゃああんまり体を動かして疲れが取れないと不味いからそろそろ引っ込むけど……負けないでっ!! 頑張ってねっ!!
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(動く岩)
ファイアワイバーン(ワイバーン)