ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第649話

四百五十頁目

 

 どうやら昨夜、またフローラが顔を出したようだ。

 尤も俺にはその時の記憶がないからはっきりとわからない。

 ただ前の時は会話したらしいメアリーが事実であると教えてくれたが、今回はソフィアだった。

 

 朝一で出会うなり明らかに興奮した様子で、色々と書いた紙を手に俺に話しかけてきたのだ。

 よほど気が合ったのか、俺が好きになった気持ちが分かりますだとかあの子を生き返らせるためなら頑張っちゃいますよねとか口々に捲し立て、挙句の果てには今度はキャシーも交えてお話してみたいから私も全力で協力しますと言ってくれた。

 またその際にソフィアは前に俺からフローラが建築に関するセンスがあると聞いていたため、ゴーレムとワイバーンを安全に捕獲する罠を作れないか相談したようだ。

 

 そして実際にゴーレム達の縮尺や動きを詳細に書いたスケッチを見せ、それを元に考えた建築物の設計図を一緒に書いてくれたらしい。

 ソフィアが手に持っている紙がまさにその設計図であり、意気揚々と見せてくる。

 まずゴーレムの方を手にとって見ると、岩より強度のある金属の素材で作った三角形の土台と両開き用のドア枠、更に斜めの三角屋根などを利用したヘンテコな形の建造物が描かれていた。

 

 ソフィアのメモした縮尺が正しければこの通りに作ることで、ちょうどゴーレムによる投石も動きも金属の壁などに引っかかって止まるが、向こうは頂点のところに設置したドア枠の隙間から頭が見えているためピンポイントで狙えばこちらからの衝撃は通るというのだ。

 次いでワイバーンの方を見ると、こちらは相手の攻撃力がまだ未知数であるためか要検証と書かれた上で建材はやはり一番頑丈な金属が指定されていた。

 その上で柱やハッチ枠に斜めの三角屋根などを利用した……何とも言えぬ独特な形をした建物、というより祭壇のような形が描かれている。

 

 恐らくは飛んできたワイバーンをこの斜めの三角屋根を組み合わせてトゲトゲと出っ張っている場所に引っ掛けることで身体の向きごと動きを拘束し、安全な背後から麻酔矢を打ちこむという形式なのだろう。

 ……確かに設計を見た上で自分の頭でもシミュレートしてみるとどちらも上手く行きそうではある。

 ただ問題は二つあり、一つはワイバーンの方は炎のブレスそのものを押しとどめる効果はないという点だ。

 

 だから一度ハメた上で背後に回れば安全だが、そこまで行くまでが大変そうである。

 それに対してゴーレムの方は位置関係を調整すれば比較的安全にできそうではあった。

 ただもう一つの問題として金属の建材を作るために必要な素材が上げられる。

 

 ワイバーンもゴーレムも巨体なため、当然ながらそれを嵌めるための罠も大きいため、そう気軽に作るわけには……とにかく素材の残りを確認した上でみんなと相談しながら考えるとしよう。




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
ファイアワイバーン(ワイバーン)
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