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手分けして今現在手元にある素材を数えて回るが、思っていた以上に金属のインゴットが残っていた。
何だかんだでほぼ毎日のように金属鉱石を採取して燃やしていたお陰だろう。
これならば科学作業台を作る分に足りる……どころか多分あちこちに作ってある溶鉱炉に残っている分もかき集めれば工業炉に必要な量にも達しそうだ。
ただ問題は採取量が決まっている原油と手に入れるのに一手間かかるセメントやポリマーに電子基板などの素材だ。
そのうち電気基板に関しては工業炉には不要だし、採取ポイントが見つかっている真珠とインゴットがあれば作れるため、その気になれば科学作業台に必要な量は確保できるだろう。
またTEK生物から採取できることもわかっているので、もしもTEKラプトルを増やせるようならば……いや取らぬ狸の皮算用は止めておくとしよう。
話を戻すがセメントも作るためにキチンやケラチン質の野生生物からしか取れない素材が必要となるが、この砂漠には意外とそれらが取れる生き物が多いためこれ単体ならば問題なく用意できる。
……それに対して原油とポリマーは余裕など全くないカツカツな状態だ。
何せ原油は電化製品などを動かす原料となるガソリンの生成にも必要となる上、前の島みたいに採取ポイントが見つかっていないため地面の下からポンプでくみ上げた量しか使えないのだ。
逆に言えば時間さえかければ自然と量は溜まるとも言えるし原油は工業炉にしか使わないのだが、果たしてこのペースだと制作に必要な量が貯まるのにどれだけかかることか。
またポリマーに関してはまともに作ろうとすると環境から取れる黒曜石はともかく、セメントが必要になるのがネックであった。
幾らキチンやケラチンが取れる野生生物が多めと言っても、前の島にあった虫が湧き出る洞窟が見つかっていない以上、その入手量は非常に不安定だ。
だからセメント自体も貴重な素材だというのに、それを消費してポリマーを作るとなったらそれこそ量が足りなくなってしまう。
……まあ科学作業台さえできてしまえば同じ素材からでも生産できる量がぐっと増えるので少しはマシになるだろうが、それでもできれば有機ポリマーで代用しておきたい。
しかしこの砂漠で有機ポリマーが取れる動物は今のところサンドワームが潜む外周部の砂漠に生息しているカマキリしか確認できていないのだ。
……本当に困ったなぁ、工業炉か科学作業台のどちらかだけでも作れれば一気に文明開化が進むって言うのに……どうしたものか?
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在庫を数え終えたところで取りあえず皆で朝食を取りながら、今後の予定を相談することにした。
一応元の話だとこのまま青いオベリスクの麓にある拠点へ向かい、洞窟探索の準備を始めようという話だった。
ただ洞窟探索するにはコレオちゃん用の高品質サドルをそれなりの数作らないといけないわけで、そのためにはやっぱり金属のインゴットを始めとした素材が大量に必要となる。
そう考えると先に設備を整える方が優先した方が良い様な気もするのだ。
果たしてハンスさんも壊れた発電機を修理したり皆の分のピストルと弾丸を作っていた際に素材の心許なさは気になっていたようで、火薬の生産などにも役立つ科学作業台と工業炉の作成を優先すべきではと言ってくれた。
また昨夜フローラと話し合ったソフィアもせっかく考えたゴーレムとワイバーン捕獲用の罠を作るためにも、素材が潤沢に使えるよう設備を整えることに賛成のようであった。
唯一キャシーだけはティラノやワイバーンと言った話にだけ聞いてまだ見れていない生き物が気になるのか少しだけ不満そうではあったが、ゴーレムと炎を吐く竜を仲間にできるならばと設備作りに賛成してくれた。
残るはルゥちゃんだが、彼女はいつものようにエレメントダストで作ったジュースを飲みながら、頑張って手伝うとだけ言ってくれた。
……これで決まりだ、今度という今度こそ科学作業台と工業炉を完成させてこっちでも文明開化を起こしてやる。
今回名前が出た動物
デスワーム(サンドワーム)
カマキリ
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ファイアワイバーン(炎を吐く竜)