ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第653話

四百五十八頁目

 

 アルケンは二匹いるためコレオちゃんの同種をもう一体仲間にするまで、もう少し素材集めを続けることにした。

 そうして改めて周囲を見回してみると、外周部の砂漠にまたサソリが沸いているではないか。

 あれならアルケンで掴んで運べるためほぼノーリスクだ。

 

 そう思い飛んでいって掴み上げようとした瞬間、小柄な鳥が近くに舞い降りてきた。

 ハゲワシの一種であろうそいつは結構この外周部の砂漠をうろついており、またアルケンに似通った生態をしているようで死体や腐肉に食らいついている姿を見かけている。

 ただ普段は温厚と言うか非好戦的なため、こちらに襲ってくることは殆どない。

 

 唯一例外的に死体が傍にある時は近くにいる生き物を餌を横取りする的と認識するのか一転して好戦的になるが、戦ったとしてもちゃんと装備が整っている上動物の仲間がいる俺達の敵ではない。

 逆に言えば装備もろくにない状態で一対一で戦うとなれば、いつぞやの島に居たカモメ以上に苦戦させられたことだろう。

 そう考えるとこいつが最初の地点ではなくこの外周部の砂漠にしかいないのは有難いというかこのARKにおける数少ない温情を感じる気がした。

 

 ……なんてどうでもいいことを考えながらハゲワシの傍に居るサソリへ近づこうとしたところ、ちょうど仲間にする動物に食べさせるため手に持っていた肉が腐臭を放ち始めた。

 サソリもハゲワシも腐肉を食べる習性からこの臭いで敵対されてはかなわないと慌てて投げ捨てたところ、何とハゲワシがそれに食らいついたではないか。

 そして餌を食べ終えたところでもっと寄越せとばかりにこちらへ敵対的に……なるどころか、どこか親し気な眼差しで見られている気がした。

 

 ……これには既視感がある、前の島で手渡しで餌を食べさせる生き物がこんな反応をしていたっけなぁ。

 

四百五十九頁目

 

 あ、あぶねぇええっ!! あと一歩でサンドワームの餌になるところだったっ!!

 やっぱり気の抜けない砂漠だが、思った通りキャシーの反応なら十分砂煙を見てから対応可能だとわかったので良しとしよう。

 そしてもう一つの恩恵として、新たに仲間となったハゲワシのワッシー君の存在もある。

 

 わざわざ地面に降りて餌を与えて見て正解だった……まあそうして懐くまで餌を与え続けていたせいでサンドワームに気づかれてしまったわけだが、恐怖に見合ったリターンはあったと思おう。

 何せ仲間になったワッシーはサイズがサイズなだけにサドルをつけたり乗ったりは出来なさそうだが、逆にミッキーの様に肩へ乗せることが出来そうなのだ。

 そしてこいつの戦闘力は人間だけが相手ならそこそこ厄介なわけで、つまり対人用の護衛として使えそうなのだ。

 

 ……ちょっと前にルゥちゃんとハンスさんには銃以外の護身手段をと考えていたが、これこそまさに打ってつけの生き物じゃないか。




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃんの同種)
プルモノスコルピウス(サソリ)
ハゲワシ
イクチオルニス(カモメ)
デスワーム(サンドワーム)
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