ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第654話

四百六十頁目

 

 その後も二匹目のコレオちゃんの同種を仲間にするまで、掴んで運べるサソリなどを中心に外周部の砂漠も含めた範囲で狩りを続けた。

 お陰で拠点へ引き返すころには結構な量のキチンケラチン質の材料が溜まっていた。

 これならセメントからポリマーに精製する分を差し引いても、科学作業台を完成させるのに十分な量があるはずだ。

 

 まして少々手元にある有機ポリマーを利用すれば更に材料は節約できる。

 そして科学作業台さえできてしまえば今後はセメントに困ることはほぼ無くなるだろう。

 こうなればもう工業炉の完成も目と鼻の先だ……いやぁ、思っていた以上に長かったなぁ。

 

四百六十一頁目

 

 拠点に戻り素材を持って帰ると、パララ君の背中から機械の駆動音が聞こえていた。

 果たしてそこではハンスさんがポリマーと電子基板を生成しており、その傍ではルゥちゃんがすり鉢で一生懸命セメントを練り練りしていた。

 ……何故かソフィアの姿が見えないのが不思議だったが、見張り台の方から声が聞こえるところを見ると周りを見張っていたようだ。

 

 それに気づくなりキャシーはサッとソフィアの方へ行ってしまい何事か話し始めたので、俺は先にハンスさんのところへ素材を持っていくことにした。

 そうしてパララ君の背中に降り立ったところ、旋盤の音に紛れて別の機械が作動する音が聞こえてくるではないか。

 そちらに視線を向けると居住スペースの中に一か所、壁で仕切られた場所があり、その隙間から電線が伸びていた。

 

 どうやらこの閉じた空間の中に発電機があるらしい。

 多分移動拠点で風力発電機を運ぶのはバランス的にも危険そうだから、この発電機をどうにか砂の影響を受けずに運用する方法を模索しているようだ。

 ……だけど風が吹くたびに電線の伸びる隙間から砂が紛れている気がするし、このやり方でも難しそうだなぁ。

 

四百六十二頁目

 

 ハンスさんに声をかけ素材を渡しつつ発電機関連について聴いてみるが思った通りであった。

 しかしハンスさん自身も薄々このやり方でも無理そうだと気付いているようで、小まめに修理して運用するか移動拠点での電化製品の使用を諦めるべきか悩んでいるようだ。

 そんな彼に科学作業台にも電気が必要な旨を伝えた上で、出来れば最初の一台はいつでも使えるよう移動拠点の上に設置したいため、砂対策が思いつくまでは小まめに修復する方向で考えようという話になった。

 

 その上で改めて手元にある素材を二人で数えると科学作業台を作ってもなお、発電機を複数回修復するぐらいの材料が残ることが判明する。

 こうなればもう作るのを躊躇する必要もなく、早速政策に掛かろうとしたところでルゥちゃんのお腹が鳴る音が聞こえてきた。

 またそれとほぼ同時にキャシーとソフィアもこっちへやってくるのが見えた。

 

 ……ちょうど昼飯時だし、このままパララ君の背中で昼食を食べるとしよう。




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃんの同種)
プルモノスコルピウス(サソリ)
パラケラテリウム(パララ君)
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