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科学作業台で作れる物を一気に量産していき、その過程で工業炉を作るのに素材をピックアップしていく。
まず科学作業台を作るのに使った分のインゴットに始まり、セメントはポリマーを全部自作するのならば不足するかもしれない。
それと原油がガソリンに精製する分を考えると心許ない。
そこから逆算して俺達が今集めるべきは溶かしてインゴットにするための金属鉱石に、セメントになるキチンケラチン質か有機ポリマー、そして原油だ。
このうち金属鉱石はある場所が分かっているし、キチンケラチン質はキャシーと一緒ならば外周部の砂漠に居るサソリなどを狙えるので何とでもなる。
ただ問題は原油だ……発電機に科学作業台、更には工業炉自体を動かすのにもガソリンを使うことを考えると二か所の原油ポンプから定期的に採取できる量で補おうとすると時間が無駄にかかりすぎる。
……ゴーレムを討伐して回るのは難しいだろうし、ここは新たに原油ポンプを設置できる場所を探した方がよさそうだ。
そのためには観察力のあるソフィアと一緒だと頼もしいが、どうせ出かけるのならばコレオちゃんの同種やキチンケラチン質の素材も集めたいところだ。
そうなると動物の扱いが上手いキャシーと一緒の方が良いわけだが、さてどうしたものかな。
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今まで二人でばかり外に出ていたせいで固定観念が出来ていたが、よく考えれば別に三人で出かけても問題ないではないか。
何せ拠点にはゴーレムを討伐した動物達に加えて連れて帰ってきたコレオちゃんの同種……レオ2とコレオ234と名付けた個体も四体居るのだ。
だから俺達が出かけている間に拠点に厄介な事態が迫ったとしてもハンスさんとルゥちゃんで安全な場所から適当に指示を出すだけで何とでもなるはずだ。
そう思って皆に相談してみると意外にもあっさりとみんな頷いてくれた。
まあ正確にはハンスさんは女性陣に危険な野外活動をさせて自分だけ拠点に残るのは思うところがあるようであったが、キャシーとソフィアに自分達はまだ科学作業台を上手く扱えないからハンスさんに頼るしかない的な事を言われると途端に任されたと頷いてくれたのだ。
……ハンスさんってひょっとして単純に女の人に弱……いやまあ実際に科学作業台を使い慣れて良そうなハンスさんが残って色々と作業して置いてくれるのは助かるから何も言わないでおこう。
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コレオちゃんの同種を仲間にするにはやはり緑のオベリスク周辺を探索すべきだと思ったが、あそこには既に原油ポンプを二か所設置している。
果たしてこれから探しても新たな設置場所が見つかるかどうか……と悩む俺にソフィアはどうせならまだしっかりと探索していないエリアを調べてはどうかと提案してきた。
ちゃんと調べていない場所ならそこにコレオちゃんの同種が生息している可能性もあるし、何より新たな発見があるかもしれない。
ただ何だかんだでこの砂漠はそれぞれのオベリスク間を行き来していたこともあって、後調べていないエリアと言えば外周部の砂漠ぐらい……と思う俺とキャシーにまたしてもソフィアがマップを取り出しある地点を指さして見せた。
それはちょうどこの砂漠の中央付近であったが、パッと見た限り地形図自体は既に完成している。
だけどよくよく思い返してみるとこの地点は三つのオベリスクの中央にあるため近くを通った時に視認した大まかな形をマップに記しているだけで、実際にその地点の真上を通ったり、ましては着地して調べたりはしていない。
……ああ、目に見える範囲だからとマップに描いておいたのだが未探索エリアであることを忘れる可能性もあるのか……マップの描き方には今後注意しよう。
そんな風に自分を戒める俺の間で、キャシーは素直に感心した様子でソフィアを褒めたたえており、それを聞いたソフィアは恥ずかしそうにも嬉しそうにも見える顔でどうするか改めて俺に尋ねてきた。
もちろん逆らう理由などなく、彼女の言う通り俺達はマップの中央付近へ向けて移動を開始するのだった。
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラコレオ(コレオちゃんの同種)