ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第658話

四百六十九頁目

 

 中央の地形は一層起伏が激しくなっており、それらに沿って登っていった先には更に天を突くような直角の岩山が存在している。

 それ自体は遠目でも把握できていたが近づいてみたところ、その岩山の根元辺りにとんでもない物を見つけてしまう。

 前の島において洞窟の中で何度か見た覚えのある宇宙船の外郭のような不可思議な形をした人工物だ。

 

 初めて見る女性陣は特に驚いているようでこれが何なのか聞いてくるが、俺にもはっきりとした答えは出せない。

 恐らくはこのARKを管理している装置なのだろうけれど……ハンスさんなら何かわかったかもしれない。

 そう思って無線で連絡を取ろうと顔を上げたところ、別の切り立った断崖絶壁のような崖が目に飛び込んできた。

 

 それだけならなんて事のない光景なのだが、その崖の一部にやはり根本辺りから続く大きな竪穴が開いているような気がするのだ。

 念のためまだ例の人工物に魅入っていた二人にも声をかけて確認してもらうが、やはり間違いなくアレは奥へ続く穴のようだ。

 ……もしかして、あれも洞窟なのだろうか?

 

四百七十頁目

 

 前に見つけた洞窟に比べて入り口が大きすぎる気がしたが、島で見つけた中にはあれぐらいのサイズの場所もあったはずだ。

 ただたいていそういう場所は中が狭くなっていて、結局連れ込める動物は限られていた。

 もしあそこが本当に洞窟だとしてもその手の可能性は十分ある……なんて思っている俺の目にその竪穴の入り口辺りを行き来している瘤付きの姿が映る。

 

 あの草食動物が洞窟の生き物かどうかは分からないが、簡単に出入りしているところを見るとあの付近には危険な肉食は居ないようだ。

 先ほど考えた通り洞窟だとして中が狭くなっているかどうか調べておきたいところだ。

 あの入り口はアルケンでも余裕では入れるほど広いのだから、このまま飛行生物が嫌がる場所まで進んでみるのも悪くないだろう。

 

四百七十一頁目

 

 洞窟ならば飛行生物が嫌がるはずだが、アルケン達は俺達の指示に逆らうことなく平然と入り口を通り抜けていった。

 その時点で何となく想像は付いていたが、入って少し進んだところで上から光が差し込めていることに気が付いた。

 見上げてみれば眩しいばかりに輝く太陽がはっきりと見える……果たしてそのまま浮かび上がってみると、普通に外へと出ることができた。

 

 どうやらここは洞窟ではなく、いわゆるクレバス的な……砂漠だからそう表現するのが正しいかは分からないが、とにかくそういう隙間のようだ。

 実際に改めて見下ろしてみれば、地面に亀裂が走るように細長い穴が赤いオベリスクの方向に向かって続いているではないか。

 ……むしろ何でこんな目立つ亀裂に今まで気づけなかったが一瞬不思議に思う。

 

 しかしよくよく考えてみると赤いオベリスクに向かう際は途中の水場にある中継地点の拠点を経由しており、そこからだとこの場所は通らないことに気が付く。

 もっと言えば俺達は緑と青のオベリスクの傍には拠点は作ってあるが、この赤いオベリスクの傍にはそれこそ中継地点の拠点がある上に近くの山にゴーレムが居るからと拠点を作らなかった。

 だから結果的に移動する際の角度が微妙にずれていてここが目につかなかったのだろう。




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
モレラトプス(瘤付き)
ロックエレメンタル(ゴーレム)
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