ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第66話

二百五頁目

 

 素材集めもひと段落着いたところで、改めて自分が持っているものを確認したがまたしても身に着けていたもの以外はほとんど失われていた。

 尤も今回は素材集め用のピッケルや斧は括り付けてあったから大丈夫だったが、後はまた護身用の二種類の槍ぐらいしか残っていない。

 鉄の槍はともかく、石の槍はそろそろ置いて行ってもいい気がするがこれはこの島に来て最初に生き物を倒した道具でもある。

 

 だから何というか捨てがたいというか、お守り代わりにずっと携帯していていまいち手放す気にはなれない。

 実際に今まで何度も拠点やアイテムを失ってきたが、未だに俺と共にあってくれているのだ。

 これから先もずっと手元に置いておこうと誓いつつ、とりあえず護身用に新しい皮の防具と弓矢でも作ろうと思う。

 

 何せこの場所には鉄資源はないのだから……本当はアルケン君で取りに行っても良いのだけれど、命の恩人であり今も俺を見て笑顔を浮かべてくれる可愛らしいフローラから離れたくないのだ。

 

二百六頁目

 

 フローラが自分は使いこなせないからとクロスボウを渡してくれた……アルケン君が力持ちだから俺より身の回りの物を持ち出せていたようだ。

 ありがたく受け取り、ついでに麻酔矢を作ってもらいながら俺は新たな仲間を求めて近くをうろつくことにした。

 この場所には前にテリ君を仲間にするために作った罠拠点がある、これを利用すれば大抵の奴は仲間に出来るはずだ。

 

 そう思って周りを見回したところで、トリケラがのそのそと歩いているのを見かけた。

 前からずっと思っていたがこいつさえ仲間に出来れば、かなり心強い戦力になるだろう。

 だから早速罠拠点へと誘導して落とし込むと、フローラに麻酔矢を持ってきてもらい早速打ち始めるのだった。

 

二百七頁目

 

 矢で射貫かれるトリケラを少しだけ痛ましく見つめていたフローラだけど、実際に仲間になってこちらにすり寄るトリケラを見たら嬉しそうに近づいて撫でまわし始めた。

 あれだけ肉食に怯えていたにもかかわらず、意外とフローラは動物好きのようだ……だからサドルを作ってあげると嬉しそうに乗り回し始めてしまう。

 仕方なく素材集めをフローラに任せて、俺は拠点に戻り更なる麻酔矢の量産に移ることにした。

 

 材料はアルケン君の餌用に持たせた生肉が腐ったものを利用しているが、足りなくなったらアルケン君に乗って近くの動物を倒して補充していく。

 するとアルケン君は想像以上に強く、また鍵爪で保持して持ち上げる生き物ならばほとんどの抵抗を封殺して倒すことができる。

 しかも死肉を食べることで活力をみなぎらせて動きが良くなる特性があることも分かった……ひょっとしてこいつも戦線に加えていたら前の拠点を保持……はやっぱり無理だっただろう。

 

 だけどこんな便利な生き物ならもっと仲間に加えてもいいかもしれない……もう少し準備が整ったら考えてみよう。




【今回登場した動物】

アルゲンタビス(アルケン君)
トリケラトプス
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