ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第661話

四百七十六頁目

 

 この蜂の巣についても無理に触りに行くのは止めて、マップに印だけつけておくことにした。

 そうして大空で待機しているソフィアと合流しに行くと、彼女は何やら落ち込んでいる様子であった。

 てっきり蜂に怯えて逃げ出した自分を情けなく思っているのかと思ったが、どうもそれだけではないようだ。

 

 何故なら彼女の向いている方向を見ると赤いオベリスクがすぐ正面にある……思わず下を見るとちょうど渓谷は赤いオベリスクの正面に向かうような形で続いていたのだ。

 少しだけ移動して赤いオベリスクの方から見てみると、入り口と思わしき場所がはっきりと……というかなんか反対側の入り口と違っていかにもな砦の入り口風になっている遺跡があるではないか。

 空からだと距離がある上に強すぎる太陽によって影も色濃く発生するためそれとわからなければ確かに見落としても不思議ではないが、どうもソフィアはこの辺りを自発的に探索したこともある身としてこんな分かりやすいのに気づけなかったことにショックを受けているようだ。

 

 恐らく自分でも観察力の高さを生かしてみんなの役に立っているつもりだったから余計にその得意分野で失敗した自分が許せないのだろう。

 ……別に誰だってミスの一つや二つするのだから気にする必要なんてないのに……それこそ俺なんかこの手の見落としどころか、やろうとしていたことも何度も忘れていたりするのだから……前の島に残してきたメカステゴ君ももう気にしてないはずさ。

 

四百七十七頁目

 

 気落ちしながらもソフィアは門の陰に隠れていた壺の中から文字の掛かれた石板を見つけ出していた。

 内容を軽く見てみると、どうもこれも先達者様の日記のようだ。

 ……まさか石板をメモ帳代わりにするような時代からも人が来ていただなんて驚きだが、そこに書かれている文字も物凄く独特というかほぼ絵文字状態でビックリする。

 

 何かで文字の成り立ちは絵を模すような形でどうのこうのと聞いた記憶があるが、ひょっとしなくてもこれを書いた人物は今までで最も古い時代から来ているのかもしれない。

 尤も左手首に埋まっているインプラントのお陰で何の問題もなく読み解けるのだが、書かれている内容はオベリスクの輝きが信仰的にどうとかで、他の先達者様たちの様に科学的だったりサバイバルに役立つ内容は書かれていなかった。

 ……なのにソフィアは俺達が引くほど興奮している……ヒエログリフ文字がどうとか解読できるだなんて夢みたいだとかぶつぶつ呟いてまるでいつぞやのハンスさんみたいだ。

 

 実際に俺達が話しかけても殆ど耳に入っていないようだ……困ったもんだなぁ。

 結局こちらの話を聞かないことでちょっとだけむくれたキャシーがアルケンで掴み上げることでようやくソフィアは正気に戻ったのであった。




今回名前が出た動物

イキオオミツバチ(蜂)
TEKステゴサウルス(メカステゴ)
アルゲンダヴィス(アルケン)

今回登場した日記

ライアの石板(#23)
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