四百八十三頁目
まさか本当にメカ個体でも産卵できるだなんて。
それを目論んでいたとはいえ、黒光りしていたのがメタリックに輝く卵だと理解した瞬間は驚いてしまった。
しかも複数転がっていた卵の内にはちゃんとした受精卵らしきものも混ざっていたのだ。
もちろんその受精卵はこんな熱い砂漠の野外に放置しておくわけにはいかず、エアコンなどで適切な温度を維持できるところへ移動しなければならない。
だから戦闘などはさせない予定のソフィアの荷物に丁寧に収めてもらいつつ、その間に俺は拠点の中に入ると普通の卵を一つ調理なべに割って入れてみることにした。
何せこれだけ機械的な外見をしているのだから卵の中身も機械類で埋め尽くされており、或いは電子基板などの素材が出てくるかもしれないと思ったからだ。
しかし予想に反して卵の中からは食べられそうな卵黄と卵白が出てくるばかりであった。
普通のラプトルは愚かどんな生き物の卵とも似ても似つかないメタリックな見た目をしているくせに不思議なものだ。
……まさかとは思うけど中身がこうだとひょっとして生まれてくるのも生身のラプトルだったりしないだろうか?
四百八十四頁目
卵を回収した後で改めて周辺を細かく探索していく俺達。
その際にせっかくなので俺とキャシーで適当に野生動物を倒し皮や生肉にキチンケラチン質の材料を集めつつ、あちこちに点在している金属鉱石も回収して回ることにした。
動物を減らさないと捕まえたいコレオちゃんの同種を含めた新しい動物が湧きにくくなるし、工業炉を作るためにも金属鉱石は大量に必要になるからだ。
ただ金属鉱石を採取している間は動物から降りなくてはいけなくて微妙に危険なため、その際にソフィアには上空から周りを警戒しておいてもらうことにした。
……まさかその判断のお陰で新たに原油の湧くポイントを幾つも見つけられるだなんて思わなかった。
どうやら原油が湧く場所はこの緑のオベリスクの近辺に偏っていたようだが、新たに見つけた場所はちょうど金属鉱石に近い場所にあったのだ。
お陰で空から見下ろした際はこの輝く金属鉱石の方に目を奪われたり、原油の黒さが日差しの強さゆえに差し込める影に紛れたりして気づきにくかったようだ。
この事実にやはり見落としがあったのかとソフィアはまた気落ちしているようであった。
ただソフィアはこの場所へ探索に来た際は既に俺が探し回っているという情報もあり、外周部の砂漠を優先的に観察して遺跡のような場所を見つけているのだから十分すぎるほど貢献してくれているぐらいだ。
……というかむしろこの場所で数日過ごし、周りを探索しながらも絹の群生地を始めとして幾つも見落としている俺の責任のような気が……はぁ、やっぱりこの猛烈な暑さのせいで自分が思っている以上に集中力が落ちているのかもなぁ?
今回名前が出た動物
TEKユタラプトル