ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第666話

四百八十七頁目

 

 本当にこれでよかったのだろうか?

 アルケンに乗って拠点を出たところで自分の判断が不安になってくる。

 そんな俺の後ろから付いてくるもう一匹のアルケンの背中にはニコニコと微笑んでいるルゥちゃんの姿があった。

 

 このクソ熱い砂漠でTEKラプトルの卵が孵化できる環境を整えるのにはエアコンという電子機器の設置が必要不可欠だろう。

 そう考えるとやはりハンスさんを連れ出すわけにはいかず、ソフィアかキャシーのどちらかについて来て貰おうとした……ところでメディカルブリューの在庫を冷蔵庫に運びに来たルゥちゃんの姿が目に入ったのだ。

 少し前まではすり鉢でセメントなどを作っていたルゥちゃんだったが科学作業台が出来たことでお役御免となり、今では調理なべでレシピ通りにお薬やみんなのご飯を作るぐらいしか仕事が無いようであった。

 

 ただずっとそれらの作業をしていたお陰でもう十分すぎるほど在庫があるわけで、このまま冷蔵庫が埋まってしまえばもうやれることが無くなってしまう。

 そんなルゥちゃんでも近くにいるオウ・ホウさんが指示を出せばクラフト作業の助手ぐらいはできるわけで、この荷物に詰め込めるようパーツ単位に別れている原油ポンプの組み立てぐらいなら十分役に立ってくれるはずだった。

 そしてもう一つ、何れはルゥちゃんにも少しずつこのサバイバルに慣れておいてもらいたいという気持ちもあったため、ちょうどいいタイミングだと思い一緒に来てもらうことにしたのだ。

 

 肩にはハゲワシを載せて、アルケンの手綱をしっかり握りながら傍に浮かぶオウ・ホウさんのガイドロボットに従い俺の後をちゃんとついてくるルゥちゃん……だけど外に出ると本当にあんな小さい子を連れ出してよかったのかという想いがどうしても湧き上がってくるのだ。

 ……だけど前の島でもメアリーにサバイバルに慣れておいてもらったお陰でメンバーの命が助かる場面もあったことだし……いやだからってまだルゥちゃんは余りにも幼いし……でもこのARKは人間の都合なんか一切合切無視して襲ってくることを考えると幼いからって甘やかしてばかりだと逆に命の危険が…………はぁ、頭がパンクしそうだ。

 

四百八十八頁目

 

 俺の不安とは裏腹にルゥちゃんは思っていた以上にしっかりと動いてくれた。

 傍についているオウ・ホウさんの的確な指示もあってのことだろうけど、基本的にアルケンのサドルに跨ったままポンプを組み立てて俺に渡してくれる。

 それでいて近くに野生動物の気配を察知したらすかさず安全な大空に飛び立って、俺が駆除するまで大人しく待機してくれているのだ。

 

 かつての動物を見るなり地面に降りて生贄になろうとしていたころと比べると天と地ほどの差があり成長を感じる。

 尤も相変わらずキラキラしているオウ・ホウさんのことを神様の使いか何かと勘違いしているようではあるが、こればっかりは仕方ないだろう。

 そんなルゥちゃんだがオウ・ホウさんの宿るガイドロボットや同じくキラキラしていて気に入っているモンスターボール紛いの道具が出てきた緑のオベリスクがどうも気になっている様子だ。

 

 その周辺にある水たまりに沈んでる真珠も大事な資源ではある。

 ただ潜って回収するのを手伝わせるのはアレだし、取りあえずワニを含めた危険生物がいないことを確認したら俺が水に潜っている間だけでもオベリスクの操作盤で遊んでおいてもらおうかな?




今回名前が出た動物

アルゲンダヴィス(アルケン)
TEKユタラプトル
ハゲワシ
カプロスクス(ワニ)
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