ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第668話

四百九十一頁目

 

 夕食後にルゥちゃんの踊りを見届けた後は各々自由に過ごす時間になる。

 疲れが残っているのなら早々と寝床に付くのもいいし、そうでないのなら気になる作業に手を出してもいい。

 キャシーは基本的に牧場で動物の面倒を見ており、ハンスさんはパララ君の上でクラフト作業を続けている。

 

 ルゥちゃんは子供らしく一足先に眠りについていることが多いが、時折はカンガちゃんに入ってキャシーの後を付いて回ったりしていることもある。

 ソフィアは見張り台の上で篝火……ではなく今は電灯で照らされている周辺を見回しながら適当なスケッチをしたり、たまに射撃場で銃撃の練習をしている時もある。

 つまり誰かと話したければそれぞれの場所へ向かえばいいわけで、そうでないならさっさと部屋に戻り……何なら右手首の鉱石を眺めてフローラとのひと時を過ごすこともできる。

 

 尤も今日のところは特に話したい内容があるわけでもなく眠気もまだ強くないので、久しぶりに適当なクラフト作業でもしておこう。

 

四百九十二頁目

 

 ハンスさんは未だに発電機の消耗が気になっているようで細かく調べたり、大掛かりな故障が発生しないよう小まめに修理しているようだ。

 そんな彼の隣で俺もまた久しぶりに旋盤に手を伸ばし必要な物……は昼間にハンスさんが大体作ってくれてあるから何か新しい物でも作れないか試してみることにした。

 そうして左手首の鉱石と素材を眺めながら旋盤で作れそうな物を考えていると、まあ思いつくわ思いつくわ……。

 

 まずふと前にモーリツさんが油壷と火矢を使っていたの思い出すとそれらの素材が揃っているからか、あっさりと思いつくことができた。

 そしてその二つを見て炎を連想したからか、次いで火炎放射器とその燃料の作り方が思い浮かび、これらを全部使ったら爆弾もびっくりな火力が……なんて思ったところで更にクラスター爆弾とホーミングミサイルなんて物騒な物まで頭の中に流れ込んできた。

 ……まさかこんなに一気に新しい道具の作り方が思い浮かぶなんてビックリだ。

 

 まあそれだけ必要になる素材が集まってきているのが大きいのだろう。

 実際に俺が前に色々とクラフト関係に想いを馳せていたのは原油やガソリンが手に入る前で、だからそれらが重要そうなこれらの道具を思いつき辛かっ……いやまてよ、確か一度ワイバーンの居る谷で何か……そうだチェーンソーっ!!

 

四百九十三頁目

 

 せっかく色々と思いついたはいいが、殆どが貴重な原油やガソリンそれに電子基板を必要とするものばかりだ。

 おまけにどれもこれも利用価値が戦闘面に偏っており、今の時点で動物という戦力を十分保持している俺達には余り優先度は高くない代物ばかりだ。

 ただ唯一、木材の採掘に使えそうなチェーンソーだけは作っておくことにした。

 

 燃料としてガソリンが必要になるが勢いよく回転する刃を見ると、斧とは比べ物にならない勢いで木材が採取できそうである。

 ……もし斧と同じ分類の素材を効率よく採取できるとしたら動物の遺体から有機ポリマーやキチンケラチン質の素材も……だけどこれを生き物に向けるところはあんまりイメージしたくない。

 まあそんなことを言っていられないのがこのARKなわけで、取りあえず頭の片隅には入れておこう。




今回名前が出た動物

パラケラテリウム(パララ君)
プロコプトドン(カンガちゃん)
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