二百八頁目
トリケラは果実の回収がそこそこ上手いようだ。
その証拠とばかりに結構時間がたってから戻ってきたフローラの両手には抱えきれないほどの果実があった。
そしてそれらを使って色々とオリジナルの料理を作っては、俺に味見させて美味しいといったものをわらと繊維で作った簡易の紙切れにレシピとして書き留めていく。
どうも彼女もロックウェル氏のレシピに感激して真似しているのだろう……その証拠とばかりに料理を作る傍らで、少しずつメディカルブリューも作っている。
尤もこれは賞味期限があるようなので、余り作り過ぎても問題だが遠出をする際には必需品になるだろう。
本当にありがたいことだ……何よりこうして彼女がクラフトに戻ってくれたから俺は交代で外へと出ていくことができる。
彼女が戻って来るまでの間に麻酔矢も大量に作ったことだし、まずはこの場所の安全のためにももう少し戦力となる仲間を増やしにいこう。
二百九頁目
思った通りトリケラは戦力としても素晴らしい力を発揮した。
角を使った突撃は同じような体格の相手の身体を貫き、それ以上の相手でもあまりの衝撃に後ろへノックバックする。
それと角の長さを活かせば、大抵の動物相手に下がりながら一方的に攻撃できてしまうのだ。
おまけに頭部にフリルが付いている関係上、正面からの攻撃にはめっぽう固い上に上に乗ってる俺に攻撃が届くことが殆どない。
これならば罠に仕掛けずとも、正面から敵を麻酔矢で射抜いて仲間に出来るかもしれない……そう思ったところで海岸沿いを歩く巨体を見つけた。
俺がこの島に来て最初に見た恐竜にしてトップクラスに有名なブロントサウルスだ。
こいつを仲間に出来ればスピノほどじゃないがかなり安心できるけれど、流石に正面から挑むのはきつすぎるだろう……放置するか方法を考えるべきか悩むところだ。
二百十頁目
ふとあることを思いついた俺は拠点に戻ると、フローラに思いついたアイディアを話し始めた。
それはすなわち、フローラがアルケン君で俺を掴んで持ち上げてもらい空からクロスボウを打つという方法だ。
これが成功すればどんな相手でも安全に戦える……そう思ったのにフローラは露骨に嫌そうな顔をした。
万が一失敗したときのリスクが高いというのだ……それでも一度は適当な的を相手に試させてくれたが、結論から言っても失敗だった。
両手を使わなければいけない関係上、掴めるところが限られる上に作業をするために身体を動かし続けるから滑って落ちそうにもなるのだ。
これでは到底無理だと思う、せめて二人乗りのサドルでも作って身体を安定させないととても無理だがアルケン君は身体こそ大きいけれど安定して座れる場所は限られている。
もっと違う生き物ならば……そう思いながらも諦めずに大きめのサドルを作ることに挑戦した結果、何故か無駄に作業スペースのあるサドルが完成してしまった。
おまけに無駄に固定が効いて背中に乗っているにもかかわらず振動がほとんど伝わらない場所が出来たから、そこに小さめの机のようなものを突けたら作業机のように細かい工作が出来るようになったではないか。
……何やら物凄く迷走している気がするが、これはこれで便利だから良しとしよう……だからそんな呆れたような目で見つめないでくれフローラ。
【今回名前が出た動物】
トリケラトプス
アルゲンタビス(アルケン君)
ブロントサウルス