ARK とある青年の日誌   作:車馬超

672 / 1041
第672話

五百三頁目

 

 掴めるサソリをキャシーと協力して駆除した後で俺が着地し手早く日記を回収する。

 そしてサンドワームが襲ってこないうちにさっさと飛び上がるが、その際に軽く中を確認したところこの日記はダケイヤ氏の物であるとわかった。

 ただ前の遺跡跡地と違って安全に着地できる場所がないため、ちゃんと内容を確認するのは後になりそうだ。

 

 今すぐにでも読みたそうにしているソフィアもその辺りは理解しているようで特に文句を言うことはなかったが、むしろ安全そうな場所を求めてかきょろきょろと周りを見回していた。

 しかし近くにあるのは塩の塊が転がる岩場ぐらいであり、そんな場所が簡単に見つかったりは……いやまたなんか騒いでるぞ?

 傍に近づいて彼女の指し示す方を見ればもう少し南下したところにまた遺跡のようなものが見えた。

 

 先ほどの遺跡に比べれば遥かに小規模ではあるがまた日記ぐらいは隠れていそうだ。

 

五百四頁目

 

 思った通りここにも日記は二つも隠れていた。

 今度のはライア氏とロックウェル氏の日記のようであり個人的には内容が気になるところである。

 しかし今度の遺跡は余り高さがないため、この上に着地してもサンドワームの巨体だと平気で攻撃が届いてしまいそうだ。

 

 だからやっぱり悠長に日記を読み耽るわけにもいかない。

 荷物にしまい込み改めて外周部の砂漠を南下し始めるが、すぐに見えない壁に阻まれてしまう。

 どうやらこのARKの端に到達してしまったようだ。

 

 聞いていたとはいえ初めて見えない壁にぶつかった女性陣は驚きを露わに手を伸ばしていた。

 珍しいことにルゥちゃんも興味があるのか不思議そうに小首を傾げながらペタペタと触りまくっている。

 もちろん前の島で既に経験済みな俺やオウ・ホウさん、そして元々知っていたハンスさんなどは今更なので気にならなかった。

 

 ……むしろこの向こうにも続いて見える砂漠の光景はバーチャル映像か何かであり、この先には真空状態の宇宙空間が広がっていると思えば距離を取りたいぐらいだ。

 

五百五頁目

 

 女性陣が満足したところで今度はこの壁に沿うように西へ移動を始める。

 暫くは砂の塊ぐらいしか目につく物はなかったが、幾つかの砂丘を超えたところでまた廃墟のようなものとオアシスらしき場所が見えてきた。

 もちろん日記があるのではとまず廃墟の方を探索してみれば思った通り日記の入っている箱が……いやどうもこれは生態記録書のようだ。

 

 この砂漠でよく見かける瘤付き……モレラトプスという名前らしい動物の情報が書かれているようだ。

 尤もちゃんと読む暇はなかったが、もうあの動物の能力については大体検証済みのはずだ。

 そして利用できる能力に関すること以外の動物としての純粋な生態記録などは俺には余り興味がないので、むしろ日記出なかったことが残念であった。

 

 ただソフィアとキャシーはそういう生態記録にも興味があるようなのでこれは彼女達に渡しておき改めて今度はオアシスの方の探索に移る。

 するとこちらにもやはりそれらしい鞄が隠されており、中身はダケイヤ氏の日記のようであった。

 ……なんかドンドン日記が見つかっていくけど、その中に前の島に居たガイウス氏とメイ・イン氏の物が一つもないのはなぜなのだろうか?

 

 たまたま見つけた日記が偏っているだけなのか、それとも二人はこの砂漠にこなかったのか或いは前の島で命を失…………やめよう不吉なことを考えるのは。




今回名前が出た動物

プルモノスコルピウス(サソリ)
デスワーム(サンドワーム)
モレラトプス

今回登場した日記

ダケイヤの記録(#29/#30)
ロックウェルの記録(#10)
ライアの石板(#4)
モレラトプスの調査書
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。