五百三十四頁目
俺達の言葉に何を思うのかモーリツさんは何事か考えこんでいるようであった。
それでも優秀な彼は頭を悩ませながらも冷静に、このまま無駄に時間を使うのはお互いに勿体ないためこの場は解散しないかと語り掛けてきた。
確かに外周部の砂漠に万が一にも生存者がいるとすれば誰かの助けを待っているだろうし、早めに向かった方が良いのは事実だ。
だからモーリツさんの提案に従い、今回の会合はこの辺にして別れることにする。
またその際に今後はもう少し密に連絡を取り合えるよう無線機の予備を彼に渡すことにした。
今回のやり取りでモーリツさんは、生きるために必要と迫られれば話は別だが基本的に悪意でもって人を惑わすような人物ではないと感じられたからだ。
実際に俺達のやり取りを無線機越しに聞いていた他の皆も同じ気持ちだったようで反対する者はいなかった。
これでわざわざ顔を合わせなくても情報交換ぐらいはできるようになったわけだが、それでも何かあればまた会おうと約束してモーリツさんは去っていった。
俺達もまた外周部の砂漠へ生存者を探しに向う……前に一応みんなの意見も聞いてみることにした。
するとやっぱりみんな文句を言うどころか即座に頷いてくれたので、早速このまま外周部の砂漠へと向かうことにした。
少しだけ護衛用に連れていた地上の生き物達を拠点に戻してアルケン二頭で向かうか迷ったが、ソフィアと二人であの危険な場所に向かう以上は戦力があった方が良いと判断したためだ。
また前々から出血しそうな外見のサンドワームなら今連れているカルノンとコレオちゃんの群れで襲い掛かれば倒せるのではと思っていた。
だからもし生存者が襲われていた場合、サンドワームの戦力を検証する意味も兼ねて戦ってみるつもりだ。
……まあ空飛ぶワイバーンに関しては攻撃がそもそも当たらない距離からブレスで蹴散らされる可能性があるので流石に避けるつもりだが。
五百三十五頁目
ソフィアが追従させていたアルケンに乗り換えたところで、改めて地上の生き物たちを追従させてから外周部の砂漠へと出向いていく。
もちろん地上を行く生き物が逸れないようルートと速度を調整する必要があったが、それでも戦力が充実しているお陰で特に問題なく外周部の砂漠へと到達することができた。
取りあえず足を踏み入れながら、どのようなルートで探して回るか考える。
もう既に死んでいる可能性が高いとはいえ、それでも少しでも発見できる可能性が高まるよう出来る限り彼らが辿った行路を辿るようにしたい。
自然と俺の脳裏に浮かんだのはかつて自分が筏で島を脱出しようとした時のことだ。
あの時はとにかくどこかへ辿り着けるようまっすぐ進もうと思った。
海と砂漠で違いはあるだろうが、とにかくこんな危険な生き物ばかりの土地から離れたいと考えている人たちがわざわざ寄り道などするとは思えない。
しかしそれはあくまでも問題なく生存できる環境が整っていればこその話であり、水や食料などを失ったギリギリの状態であればオアシスのような場所を探そうとするかもしれない。
……バリアのある所までまっすぐ飛んでみるか、それともオアシスを中心に探して回るか……取りあえずソフィアの意見も聞いて判断しよう。
今回名前が出た動物
アルゲンダヴィス(アルケン)
デスワーム(サンドワーム)
カルノタウルス(カルノン)
ティラコレオ(コレオちゃん)