ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第688話

五百三十八頁目

 

 ゴーレムから取れる素材を思えば、同じぐらい厄介だったサンドワームからも良い素材が回収できそうだ。

 しかし今は生存者を探す方が優先のため、動物達に解体を任せてさっさと先に進もうとした……のだが、チラリと黒光りする球体が胃液の辺りから落ちるのを目の当たりにしてしまう。

 あの光をも吸収するような真っ黒な塊は見間違えようがない、かつて深海にしか存在しなかった超希少な素材である黒真珠だ。

 

 まさか深海の代わりにこいつの死体から回収できるだなんて驚きだが、この場所が海の代わりだと考えればまあわからなくもない。

 尤も今までこの外周部の砂漠に居る動物を結構狩っていたが今回初めて見つ買ったことを思うと、もしかしてサンドワームだけしか落とさないのかもしれない。

 ……しかし幾ら目を凝らしてみても確認できるのはほんの一握り程度の量だけしかない……もし本当にサンドワームからしか取れないとしても一度にこの量しか手に入らないのであれば本格的に必要となった際には物凄く集めるのに苦労しそうだ。

 

 そういう数的な問題もあって流石にこれを放置するのは勿体なさすぎて、他の生存者には申し訳なく思いさっと着地して回収してしまうことにした。

 また近くにサンドワームの死体に付いていた角がまるで討伐した証とばかりに落ちていたので一緒に持っていくことにする。

 ……角と言えば前の島に居た毛深いサイの奴からも回収できたはずだが、あれはたしか解毒薬の材料になったはず……ひょっとしてこれでも代用できたりするのだろうか?

 

五百三十九頁目

 

 あれだけ警戒していたサンドワームだが、どうも生息数はそれほど多いわけではないようだ。

 こうして砂漠を横断するようにかなりの距離を移動したが三体ほどしか襲ってはこなかったのだ。

 また正面から戦えるようになってサンドワームが砂煙を上げながら近づいてくる様を冷静に観察できるようになったのだが、どうも縄張り範囲というかこちらを獲物として捕らえて襲ってくる距離もそこまで広いわけではなさそうだ。

 

 他にも顔を出した状態だと余り器用に動けないようで基本的に正面しか攻撃できない上に移動するためにはまた全身砂の下へと潜る必要があることもわかった。

 そして砂の下を移動する速度自体はそこそこあるが砂を出たり入ったりする関係上どうしても攻撃するまでにラグが発生するため、それなりにスタミナのある動物で一直線に駆け抜ければ攻撃を受けずに逃げ切るのも難しくなさそうであった。

 戦闘にしても正面で攻撃を受ける役と後ろに回って攻撃させる役を分けることで、効率よくダメージを分散させて倒せる事が分かってきた。

 

 ゴーレムの岩投げみたいな遠距離攻撃も無ければギガノトみたいに出血を伴う激しい一撃もないから強敵でこそあるけれどそいつらに比べると全然楽に倒せる方だ。

 それでいて回収できる素材もケラチンや有機ポリマーといった希少素材に始まり、大量の皮や生肉に霜降り肉といった豪勢さで非常に美味しいとすら思えてしまう。

 尤も黒真珠に関しては体内で精製でもしているのか取れる個体と取れない個体に別れているっぽいのが何とも……またデスワームの角もその巨体が倒れる際に殆ど折れたり潰れたりしてしまってやっぱり毎回回収できるわけではないらしい。

 

 代わりとばかりに一度、ヒルの血やアンコウのジェルに似た素材が取れたことがあったがまさかこれも体内で精製しているのだろうか?

 空想上の生き物なだけにそういう生態をしていてもおかしくはないが、どれもこれも本来なら深海とか沼とか砂漠では手に入らなそうな素材を雑にぶち込まれている感が……何て思うのは俺の気のせいだろうか?




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
デスワーム(サンドワーム)
ケブカサイ(毛深いサイ)
ギガノトサウルス
ヒル
アンコウ
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