五百四十頁目
サンドワームの攻撃を受ける個体をローテーションで入れ替えることで何とか動物達の犠牲を出さないまま砂漠の探索を続けられている。
むしろ逆にこの外周部に居る動物を一掃する勢いで蹴散らしていくが、そこまでしても生存者の痕跡などは殆ど見つからなかった。
ただ生存者ではなく犠牲者の痕跡なら……砂に埋もれていた何の反応もしないインプラントは光の反射もあって幾つか見つけることができたが、むしろ俺達の気持ちを重くするばかりだった。
顔も名前も知らない相手とはいえ自分達と同じ状況に陥った人間が命を落としてしまった事実に改めて悔しさと悲しさがこみ上げてくる。
……俺も島で目覚めた時、何かが一つでも違っていたらこの人たちと同じように命を落としていただろう。
そう考えると他人事とは思えないし、だからこそ何もしてあげられなかったことが申し訳なく思えてしまう。
実際にこの砂漠で死にかけたソフィアも同じように……いやある意味では俺以上に思うところがあるのか、悲痛そうにしながらもっと良く探そうとばかりに目を凝らして周りを見回している。
するとそんな俺達の前に反対側から別のアルケンに乗った一団がやってきた。
一瞬身構えるが何のことはなくキャシー達であり、無線を通して事情を知っていた彼女達もまた引っ越しが終わるなり俺達と反対周りになるよう外周部の砂漠を探して回ってくれていたようだ。
……しかし彼女達もまた痛ましげな表情をしており、こちらに気づくと力なくフルフルと首を横に振っている辺りやっぱりもう……畜生。
五百四十一頁目
探索に時間を費やしていたこともあり、気が付けば太陽が真上に到着しようとしていた。
前と同じく外周部の気温は防熱服でも耐えられないほど暑くなってきており、これ以上の探索は諦めざるを得ない。
結局俺達は誰も助けられないまま拠点へと引き返す羽目になった。
本当にどうしてもっと早く他の生存者へ意識を向けられなかったのか、今更ながらに悔やまれる。
……いや本当は理由もわかっている、モーリツさんとの会話で他の生存者との交流に慎重になり過ぎていた上に悲鳴が聞こえなくなったことで無意識のうちに俺達が何かしなくても大丈夫なのだと思い込んでしまったのだ。
尤もだからといってモーリツさんのせいだなどとは口が裂けても言えない……むしろ損得勘定込みとはいえ出来る範囲で手助けして回っていた彼のお陰で確実に来てすぐ命を落とす哀れな犠牲は減っているのだから。
むしろ無線機を渡した今、彼を支援する形を取ってもいいから共同して生存者の保護を始めた方が良い気がしてくる。
今回名前が出た動物
デスワーム(サンドワーム)
アルゲンダヴィス(アルケン)