二十四頁目
あのカプセルの正体はわからないが、少なくとも人工物であることは確実だ。
必然的にそれと反応したこの左腕の鉱石もそうであろうし、だとすると僕のこの状況は人為的な思惑の上で成り立っているはずだ。
まったくもって悪趣味だ、こんな危険な島に人を誘拐して強制的にサバイバルを行わせるなんて。
警察は動いているのだろうか、救助はくるのだろうか……考えれば考えるほど鬱になりそうだ。
何せ事件の首謀者は絶滅動物を生き返らせるだけの技術とそれを隠蔽できる権力を兼ね備えているのだ。
その気になれば一般人の誘拐なんぞ簡単にもみ消せてしまえるだろう……それどころか死ですらも。
ああ、もう……なんで僕がこんな目に……帰りたい……
二十五頁目
何もやる気が起きず、僕は手に入れたばかりのベッドに横になっている。
こんな大掛かりな陰謀に巻き込まれた以上、どうせ一般人の僕が生きて帰れるはずもないのだ。
そう思えば何を頑張るのもばかばかしくなる。
ならばいっそ何もかも忘れて眠り続けたほうが楽だ……なのになんだか外が騒がしい。
仕方ないからドアを開けてみると、何やら慌てた様子で近くにいた亀やトリケラが何処かへ移動し始めていた。
一体何が起きているのか流石に気になったが、それ以上にこの恐竜たちがこっちに突進して来たら大変だ。
幾ら絶望しているからと言って死にたくはない、とにかくあいつらに巻き込まれないよう屋根の上に避難して様子を見ておこう。
二十六頁目
ついに仲間が出来たっ!! これでもう僕は一人ではないのだっ!!
僕が歩く後ろを健気についてくるドードーらしき生き物、名前はドーちゃんだ。
ドーちゃんは先日の恐竜たちの大移動に巻き込まれて気絶していた個体だった。
最初は放置していたが、何かを欲しがるように口を動かしていたのを見て食べられない果実の実験をしてみようと思った。
そして白い果実と黒い果実を交互に与えてみて、それぞれ致死性の毒がないのを確認した僕はご褒美代わりに紫の食べられる果実を上げてみたのだ。
するとその後目を覚ましたドーちゃんは何か匂いを嗅ぐようなしぐさをしたかと思うと、一直線に僕の元へとやってきてくれたのだ。
何かで刷り込みという現象を聞いた記憶がある……全く違う生き物を親だと思い込む習性のことだ。
多分気絶して意識が失われている際に手自ら餌をあげたことで、その際に嗅いだ匂いの持ち主を親だと思い込んだのではないだろうか?
それが正しいかどうかはわからないが、とにかく僕に従順についてくるドーちゃんはとても可愛いことこの上ない。
何より言葉が通じないとはいえ仲間が出来たことが本当に嬉しい……僕はもう孤独に打ち震えなくていいのだっ!!
【今回登場した動物】
カルボネミス(亀)
トリケラトプス
ドードー(ドーちゃん)