二百十六頁目
何度も戦ってきた角のついた肉食……意外と足取り軽く動くからカルちゃんがついに仲間に加わった。
トリケラの突進で肉食の脚を傷つけて動きを鈍くした上で、麻酔矢で打ちまくったのだ。
当然しばらくしたら逃げ出したけれど、上空からフローラが見失わないよう補足し続けてくれたから何とかなった。
これでこちらの戦力はかなり強化されたはずだ……だけど今まで見てきた中で一番の強敵であるティラノと戦うには少し不安がある。
それに洞窟攻略を考えると……考えたくないけど……意外と細身のこの子なら入っていけそうな場所は多いだろうがやっぱり戦力不足だろう。
何よりもフローラの身の安全のためだ、もっともっと仲間を増やしていこうと思う。
そんな彼女は今、赤いオベリスクの元で装置を弄り、浮かび上がるドラゴンのホログラムを見て驚いたり目を輝かせたりしている。
更には上空に浮かぶオベリスクを近くで眺めようと空へと飛びあがり始めた……そう言えば俺もあの時は飛行生物が居なかったからあの浮遊している部分は調べなかった。
後で交代してもらって俺も近づいて観察してみよう。
二百十七頁目
オベリスクの上の方まで調べたフローラが泣きべそをかきながら戻ってきた。
何でも上空に目に見えない壁があって頭を打ったのだそうだ。
驚きながらもメディカルブリューを啜っているフローラにアルケン君を譲ってもらい、俺も空へと飛びあがった。
途中でオベリスクへ手を伸ばし、やはり左手に付いている鉱石と同じ材質であることを確認しつつ上へ上へと上がっていく。
するとフローラの言う通り、確かに目に見えない壁によってゆく手を塞がれてしまっているではないか。
尤もこの手のテクノロジーには驚かない程度に耐性が付いている……冷静に手をついてそのバリアのようなものに沿って移動して、切れ目がないか探してみるがこの島の上空に満遍なく張られているようだ。
しかもしばらく移動すると俺の高度が少しずつ変化しているのがわかる……この感触からするとこの島の中心に向かって盛り上がり、端に向かって降りて行っているようだ。
ひょっとしてこのバリアはドーム状になっているんじゃないだろうか。
そうなるとこの海を越えた向こうの端にもバリアが……脱出は不可能……ということか?
やはり完全に捕らわれている……いや囲われているというべきだろうか……やはり俺たちは宇宙人か何かのペットでしかないのかもしれない。
またかなり衝撃的な事実に驚きを隠せないが、今の俺が抱いたのは絶望ではなく……フローラにどう傷付かないように教えるべかという悩みだけだった。
前なら間違いなく自殺すら考えるほど追い詰められただろうに……あの子がいてくれて本当に良かった……これからも絶対に守って行かなければ。
【今回名前が出た動物】
カルノタウルス(カルちゃん)
トリケラトプス
アルゲンタビス(アルケン君)