ARK とある青年の日誌   作:車馬超

705 / 1041
第705話

五百六十七頁目

 

 水の中に落ちたことで少しだけ慌てていたハンスさんだが、コレオちゃんの背中に乗っているお陰で足ぐらいしか濡れておらず、お陰でそれ以上パニックになることなく何とか例の坂道を使ってこちらによじ登り始めた。

 その様子を見守りながら俺は持ち込んでいた素材を使って篝火を作っていた。

 それを見ていた女性陣は濡れたハンスさんを乾かすためだと思ったようだが、全身濡れているならともかく足だけならそこまで気に掛ける必要はない。

 

 だから俺はみんなに待っているように告げると一旦向こう側に飛び移って戻ると、そこに作ったばかりの篝火を設置して炎をともした。

 ここから先は分かれ道になっていることもあり、もし似たような地形があった場合に戻る場所が分からなくなる可能性がある。

 そして帰ろうとするときは大体消耗しているため道に迷うのは命取りになりかねない……だからこうして正しい帰り道が分かるよう目印を作っておくのだ。

 

 残っていた主の居ないコレオちゃんの同種を飛び移らせてからみんなの元に戻って説明すると納得したように頷いてくれた。

 またその頃にはハンスさんも這い上がってこれていたので、これで憂いなく先に進むことができる。

 

五百六十八頁目

 

 洞窟を攻略する際に一番困るのはどこをどう進んだかわからなくなることだ。

 そうならないためにも俺は基本的に壁沿いに進むことにしている。

 右か左かのどちら側を進むのかはその時々の地形を見て判断しているが、今回は右の壁に沿って進むことにした。

 

 自然と三つの分かれ道の中から一番右側にある道を進むことになり、また主の居ないコレオちゃん達を先導させつつそのすぐ後ろをついていく。

 光る苔が壁にあるため視界はある程度確保できているが、それでも松明を灯したまま進むことで陰に潜んでいそうな動物を見落とすまいとする。

 尤もそんな俺達の警戒を嘲笑うかのように野生動物の姿が現れる前に行き止まりにたどり着いてしまう。

 

 ただ行き止まりとはいっても道が途切れているだけで少し先にはまた飛び移れそうな足場が見えており、また落ちた先も左右に続く道がしっかりと見えている

 コレオちゃんのジャンプ力や壁をよじ登る能力を駆使すれば、どちらを進むこともできれば戻ることもできるだろう。

 しかし崖から落ちて進んだ場合、もし戻ろうとしても這い上がる場所を見失う可能性もあるため、やはりここはまっすぐ進んだ方が良いだろう。

 

 そう思ってまた助走をつけて飛び移ろうと思ったが、近くにある黒曜石の塊……とその合間にチラホラと見受けられる黄色い鉱石の塊のような岩に何かの動物の骨がちょっとばかし邪魔になる。

 仕方なく舗装する意味も兼ねてピッケルで削れるものは削っておくことにしたが、その際に骨も削れるか試してみるとなんと塩が採取出来てしまった。

 ……前の島に居た時に骨っぽいのを叩いたことがある気がするけれどその時は何も取れなかった気が……そういえば塩はこの砂漠に来てから見つかった新素材だし、何か関係があるのだろうか?




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃん)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。