五百六十九頁目
塩も黒曜石も……ついでに黄色い塊から取れた硫黄も洞窟の中でなくても十分採取することができる。
だから荷物を増やして動きを鈍らせないためにも、あえて邪魔にならないところへ捨てて行くことにした。
そうして足場を整備したところで改めてコレオちゃん達と一緒に飛び移りにかかるが、今度は動物も含めて誰一人として下に落ちることはなかった。
飛び移った先にも同じような鉱石や骨が転がっていたが、取りあえずそれらは無視して再び壁に囲まれた一本道を進んで行く。
……その際の道がほんの僅かにだが傾斜が付いており上の方に登る形になっていて、もしかしたらと思ったがそこで少し先にある道が一部だが橋の様になっていることに気が付いた。
橋の下には先ほどの崖下と同じく左右へと続く道が見えており、この時点で俺はある予感を覚えていた。
しかし他の皆は複雑そうな地形としか捉えていないようで、コレオちゃんなら無理やり踏破できることもあって先ほどの崖下も含めて分岐点としてカウントしているせいか分かれ道が多すぎて困惑しているようであった。
そんなみんなに取りあえず直進を続けることを告げて進んで行ったところ、果たしてすぐに俺の想像していた光景が見えてきた。
正面には水路で区切られた先に篝火で照らされた足場があり、左右を見れば二つの分かれ道……間違いなく最初にぶつかった三つの分岐点のある場所だ。
基本的に洞窟は奥に進むにつれてドンドン深いところへ潜っていくよう下り坂になっていることが多いため、上り坂になった時点で何となく戻っているのではと感じていたのだ。
そして当然ながら来た道ではなく違う道を辿って戻るとなれば自然と最初に見つけた分かれ道のあったこの場所に繋がるだろうとも思っていた。
だから簡単に状況を把握できたのだが、洞窟に慣れていない四人はすぐには戻ってきたことに気づけなかった。
また新しい分岐点かと困惑する声を上げたかと思えば向かい側に見える人工物である篝火の存在に驚きの声を上げ……その時点でハンスさんは何となく気が付いたようで疲れたようなため息を漏らした。
逆にソフィアとキャシーは全く違う想像に至ったのか、先にこの洞窟へ潜った生存者が作った物ではないかとあっちに進むことを提案してきて……俺が周りの地形も併せて戻ってきただけだと告げると二人して恥ずかしそうに顔を赤くしたり、オォウと呟いたりして落ち込んでしまう。
……もちろんルゥちゃんは事情が分かっていないようで自分の乗っているコレオちゃんの同種を撫でながら首をかしげるばかりであった。
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結果的に三つに分かれた分岐点のうち二つがどうなっているのかわかった。
つまりこの先に進むには残る左端の蝙蝠が居た付近にある道を辿っていけばいいことになるはずだ。
そして恐らくそこを通れば先ほどの道中で見つけた崖下の道にも繋がっているのではないか?
果たしてちょっと道の先の方を確認してみると、上の方に先ほど通った岩の橋が見えるではないか。
どうやら最初の水路にわざわざ水中から這い上がれるよう坂道があったように、この洞窟はジャンプしたり壁登りできなくても進めるようになっているようだ。
実際にこのまま進んでみると頭上にある左右の壁の一部に黒曜石の塊のある足場が見えていた。
多分あそこも先ほど俺達が飛び移った場所だろう……どうやら分岐しているように見えて実質的にはほぼ一本道のようだ。
尤も今まで攻略してきた洞窟も進むべき道自体は一つであった。
ただどこを進むべきか調べるのも結構苦労していた記憶があるのだが、こうも単純に分岐先全てがどうなっているのか判明するのも珍しい。
やはりこの洞窟はそこまで難易度が高くなく、このままスムーズに進めてしまうのではないか……と何度目になるか分からない感想を抱きかけたところで、先の方から聞き覚えのある寝息が聞こえてくるのであった。
今回名前が出た動物
ティラコレオ(コレオちゃん)