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工業炉と科学作業台のお陰で素材が増えたこともあり、俺達は麻酔弾とそれを打ち出すライフルも製造してある。
洞窟のような狭い場所に複数人で入るとなると取り回しの問題があるし動物の捕獲がメインではなかったからあえて持ち込まなかったが、こうして外で捕獲作業する分には使わない理由はない。
実際にキャシーとソフィアの手にはライフルが握られており、罠に嵌ったTEKティラノはその威力の前にあっさりと眠りに落ちた。
……まあ手際の差もあって殆どキャシーがやったようなものだが、この調子ならもう既存の動物を捕獲する際はキャシー達に任せてもよさそうだ。
そう思いながら傍へ寄っていくと、こちらに気づいた二人は自慢げに胸を張りながらTEKティラノの報告を伝えてくる
特にキャシーは興奮もしているようで、早く仲間にならないかとばかりに目をキラキラさせながら何度もメタリックに輝くTEKティラノの身体を撫でながらハンスさんにサドルを作ってくれるよう頼んでいた。
……キャシー自身も作れるだろうにわざわざハンスさんにお願いするところを見ると十分頼りにされているように見えるのだが、当のハンスさんは気づいていないのだろうか?
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ハンスさんはティラノのサドルについては請け負いつつも、拠点内のエレメントダストをかき集めるなり、お昼寝していたルゥちゃんを除いた皆を連れてオベリスクへと向かって行く。
そして今度こそとばかりにエレメントダストを大量にオベリスクへ投入すると何やら作業し始めた。
すると前の島でTEKレプリケーターを作った時の様にオベリスクが反応したかと思うと一塊の鉱物が姿を現したではないか。
不可思議な見る者を魅了する輝きを放っているこれは間違いなくエレメ……い、いやなんか色が違うような?
まさかモンスターボール擬きの時と同じくインプラント抜きで無理やり作ろうとすると上手く行かないのではないか……なんて一瞬不安を感じた俺に対してハンスさんはこれで大丈夫だと胸を張っていた。
何でも精製したばかりのエレメントは色々と不安定なものであり、少し時間を置けば既存の安定したエレメントになるのだという。
果たしてハンスさんの言葉通り数分と経たないうちにソレは見覚えのあるエレメントへと変貌していった。
エレメントの毒性も有用性も既に話に聞いていたソフィアとキャシーであるが、それでも初めて見る美しい鉱物に興味津々に見入っていた。
……尤も一度酷い目に合っている俺の目には禍々しさを感じてしまうのだが、とにかく他の皆も変に影響されないよう注意しておかないとな。
しかしまさか本当にオベリスクの奥に居る守護者を倒さずにエレメントが手に入るようになるだなんて……やっぱり凄いなハンスさんは。
今回名前が出た動物
TEKティラノサウルス