ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第726話

六百八頁目

 

 取りあえずゴーレムの運用に関しては心配するところがなさそうだ。

 そう判断して安堵に胸を撫で下ろしつつゴーレムの背中から慎重に降りていく。

 何せ巨体なので下手に飛び降りたら足を挫く……どころでは済まなそうだからだ。

 

 幾ら即死さえしなければメディカルブリューで治療可能とはいえ、わざわざ痛い思いをしたくはない。

 それに対していつの間にか次に乗る番が決まっていたらしいキャシーが物凄くニコニコ顔でゴーレムの背中をロッククライミングするかのようによじ登っていく。

 そうしてサドルの座れる部分に到達するなり、早速ゴーレムを操っては一挙手一投足の動作に感極まった声を発している。

 

 逆に地上で順番を待っているソフィアは物凄く物欲しそうに動きを見つめていたりする。

 尤も何だかんだで至近距離で安心してゴーレムという空想生物の動きを観察できるだけでソフィア的には楽しめてもいるようで、気が付けばメモ用紙を片手にスケッチを始めていた。

 そんな二人の様子はアーティファクトやエレメントを目の当たりにしたときよりも嬉しそうに見えた。

 

 どうやら彼女達にとってはARKという未来科学云々よりも空想生物を始めとした生物の方がずっと関心をひく存在のようだ。

 ……この調子だと本当に全ての生き物を捕獲することが目的になって、フローラの復活のためにもARK攻略を目指す俺とは生きる道が分かれていくかもしれないな。

 しかし仮に進む道が分かれたとしても……いやそれどころかメアリーやマァの様に物理的な距離が離れてしまったとしても、いつまでもお互いに仲間である認識だけは変わらないでいてほしいものだ。

 

六百九頁目

 

 ゴーレムに興味津々なキャシーとソフィアに対してルゥちゃんとハンスさんはそこまで関心が向いているようには見えなかった。

 まあピカピカ好きなルゥちゃんにしてみればあんなごつごつとした岩の塊に興味が無くても無理のない話だ。

 むしろ昨日仲間にしたTEKティラノの方がずっとお気に入りなようで、昨夜などは今のソフィア達の様に乗り回してはしゃいでいたぐらいだ。

 

 それに対してハンスさんはエレメントを作ることが出来たためか、意識が未来文明の再現の方に傾いてきているようだ。

 その根幹にあるのは仲間のみんなが少しでも安全かつ楽に暮らせるようにしたいという思い……と多分、もっと良いところを見せたいという思いからくるものであり、別にエレメントに悪影響を受けているわけではなさそうだ。

 ……しかしこうもみんなの関心が向いている分野が分かれてくると、今の時点ならばともかく長期的にみると問題になりそうな気がしてくる。

 

 特にオベリスクの奥に居る守護者を倒した後にリーダーである俺がこの砂漠を去った後……残った誰がリーダーを引き継ぐとしても今後の行動方針が上手くまとまるか、ちょっとだけ心配になる。

 尤も何だかんだでみんな仲が良いのでトライブ自体が消滅するとは思わないけれど……何だかモーリツさんが俺達のトライブの行く末を危惧していた理由がちょっぴりわかる様な気がするなぁ。




今回名前が出た動物

ロックエレメンタル(ゴーレム)
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