六百十頁目
ゴーレムの捕獲は思ったより早く終わったが、それでもこのまま新たな洞窟攻略へ赴くのは辞めておいた。
何だかんだ危険が伴う洞窟へはやはり万全な状態で挑むべきだからだ。
それでも次に洞窟攻略するときのための準備だけはしておくことにした。
まだゴーレムを乗り回しているキャシーとソフィアにはそのまま近場から金属鉱石やキチンケラチン質の素材などを集めてもらうことにして、残った俺達はコレオちゃん達の輸送を行うことにする。
ただ次に挑む予定の洞窟は谷間の中にある崖の途中にある洞窟であり、その入り口付近の足場は余り広くない。
一応前線基地を作れなくはないが無理に場所を取ると逆にアルケンでの着地が難しくなりそうだ。
だからあえて俺達は今回、拠点を作らず洞窟の中でコレオちゃん達を待機させておくことにした。
ちょうど天井が異様に低い入り口を潜り抜けるとすぐに安全そうな広い空間があったためだ。
前線基地という名の拠点内に動物を待機させておく理由は野生の動物などの攻撃に反応して勝手にチリジリになられたら困るからだが、ここなら逆に出入口が狭いこともあってどこぞに逸れていく心配はない。
そう判断して早速俺とハンスさんと手が空いていたルゥちゃんの三人でコレオちゃんの輸送を始めたのだが……まあ日が暮れる前に何とか終わらせることが出来たから良しとしよう。
六百十一頁目
緑のオベリスクがある拠点に戻った俺達を出迎えたのは、何とペアで佇んでいるゴーレムであった。
驚く俺達にソフィアとキャシーが説明したところによると、どうやら俺達がコレオちゃんの輸送で時間を喰っている間に捕獲していたようだ。
どうやらこの近辺の金属鉱石などを採取しに巡っている際に新しく湧いて出たゴーレムが物凄く邪魔な位置に擬態して居座っていたのだそうだ
このまま放置しておいても邪魔になるため他所へ誘導する必要があるのだが、どうせならそのまま罠に嵌めて捕獲した方が良いのではとの判断に至り、キャシーが罠まで誘導してみたところこの通りな結果になったという。
……一体どのあたりに湧いて出たのかは分からないが、よくぞまあ動きの鈍いゴーレムを罠に嵌める位置まで岩投げを避けつつ誘導できたものだ。
まあキャシーのアルケン捌きならば無理ではないだろう……逆にハンスさんやルゥちゃんなら絶対に無理だっただろうな。
六百十二頁目
二体ものゴーレムが並んでいる姿は威圧感もあるが仲間だと思えば物凄く頼もしい限りだ。
こいつらを護衛にすればこの砂漠に居るどんな生き物も恐ろしくないような気すらしてくる。
……尤もゴーレムと同じく空想世界から出てきたようなサンドワームやワイバーンなら或いは同等以上に殴り合えてしまうかもしれない。
ただ岩の塊であるゴーレムならワイバーンの一番凶悪な武器である炎のブレスに耐性がありそうにも見える。
まあ見た目に反して出血するわけだから過剰に信頼を置くのは危険だが検証してみる価値はありそうだ。
何より普通に強くて頑丈な上に体力も多いようなので数さえ揃っていればサンドワームだろうとワイバーンだろうと殴り勝てる……はずだ。
……はっきりと断言できないのは、どうしても前に戦ったドラゴンの凶悪さが思い浮かんでしまうせいだ。
逆にあのドラゴンどころかオベリスクの奥に居る守護者との戦闘経験が無い他の皆の内、特にソフィアとキャシーはもう少しゴーレムを増やしたらワイバーンのいる谷の攻略もしたいと意気込んでいる。
多分前の洞窟攻略で数の暴力の強さを目の当たりにしたこともあってどれだけ相手が強かろうと数さえ揃っていれば何とかなると確信しているのだろう。
だけど俺ははっきりと覚えている……このゴーレムに匹敵するであろう強さを持ったギガノトの群れをも一掃して見せたあのドラゴンのブレスの威力を。
尤もあの時はマグマという環境も影響していたけれども、もしあのワイバーンのブレスがドラゴンと同等の物であったとしたら……その上でゴーレムの皮膚がやっぱり炎に耐性がなかったとしたら……そう思うとどうしても及び腰になってしまうのは俺が臆病すぎるせいだろうか?
……まあそれはともかく、洞窟攻略よりもゴーレムやワイバーンのことばかり話しているところを見るとやっぱり彼女達の関心は動物の方へ向いているようだ。
今回名前が出た動物
ロックエレメンタル(ゴーレム)
ティラコレオ(コレオちゃん)
デスワーム(サンドワーム)
ファイアワイバーン(ワイバーン)
ギガノトサウルス