ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第73話

二百二十四頁目

 

 フローラはオリジナル料理を褒められたからか、新しい物を作るのにかなり興味津々のようだ。

 この場所にも調理鍋を作って色々と試したかと思うと、次いですり鉢で作れるものをどんどん作って行っている。

 発火粉から麻酔薬に始まり、火薬やセメントを作りそれらを前に悩んだかと思うとあれこれと混ぜ合わせていく。

 

 まるで子供がお遊びでする実験ごっこのようで、どこか微笑ましく見守りながら鉄を焼いていた俺だが不意に彼女がニヤリと笑い割り箸鉄砲のようなものをこちらに突きつけてきた。

 そして引き金を引くと、俺の横をかすめて眩しい何かが飛んでいき防壁に当たって弾けて世界を明るく照らし出した。

 驚く俺にフローラは、木材と繊維で作った銃模型に火薬と発火粉を混ぜたものを利用することで使い捨ての照明銃を作ったのだという。

 

 改めて外で大空に向けて放つと、まるで花火のように打ちあがった火花がゆっくりと落下しながらかなりの広範囲を昼間のように照らし出した。

 ……こんな便利なものを作れるなんて……ひょっとして工作力ではフローラに負けているのではないだろうか?

 

二百二十五頁目

 

 どうもフローラは工作面は自分の仕事だと思っているようで、アルケン君に乗って移動しながら何か作れるものはないか左手の鉱石を見つめながら考えていたようだ。

 だからだろうか、もう道具の作成に関しては俺よりずっと手際が良くて同じものを作ってもフローラの方が早く完成する。

 それに作ってくれる食事も物凄く美味しい……だけでなく、傷の治りを良くする効果もあるようだ。

 

 尤もメディカルブリューほどではないが、あれと同じ様にこの島にある材料を使っているのだから当然かもしれない。

 さらにフローラはディ君に採取してもらった果実の中から十種類の種を見つけ出すと、これらを植えて育てるための菜園を作って見せた。

 そこまでしなくても野生のものを採取すれば十分ではと思ったが、彼女曰く野生で見つかるのは六種類だから残りの四つが気になるというのだ。

 

 別にそこまで果実に拘りがない俺としては全く気が付かなかったが、言われてみればその通りだ。

 尤もその四つの新しい果実を実らせたとして何が変わるとも思えないが、この島で生きていくうえで新しいことを見つけてチャレンジしていくのは大事なことだ。

 だから日が空けたらこの菜園に水を上げるための設備を作ることを約束するのだった。

 

 ……そう言えば前に水浴び用の施設を作ろうと思っていたところだ、ちょうどいいから水源から水を吸い上げる手段を考えておこう。




【今回名前が出た動物】

アルゲンタビス(アルケン君)
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