ARK とある青年の日誌   作:車馬超

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第732話

六百二十頁目

 

 目的地にたどり着いたところでモーリツさんは初めて見る洞窟の入り口を始めとした周りの環境を興味深そうに見回していた。

 ただソフィア達の時とは違い余り興奮しているようには見えず、冒険者としての血が騒ぐという言葉が本当なのか疑わしくなってくる。

 それでも洞窟攻略自体はやるつもりのようでひとしきり観察を終えると、どう攻略してくのかと段取りについて尋ねてきた。

 

 だから前の洞窟にやったようにコレオちゃん軍団を利用しての探索の仕方を伝えながら実際に洞窟内へ待機させてあるコレオちゃん軍団の元まで歩いて行った……ところである問題に気が付いた。

 それはモーリツさんは同行してこそいるが同じトライブに属しておらず、厳密に仲間とは言えない立場にあるということだ。

 使役している動物達はいつも一緒に居る仲間には懐くが部外者には驚くほど無反応になるのは前のパララ君二号の件が示すとおりだ。

 

 だからここに待機させてあるコレオちゃん軍団もまた俺やソフィアやルゥちゃんの指示には従うがモーリツさんには近づこうともしなかった。

 まあこの子達からすればモーリツさんは初めて見る完全なる部外者でしかないため当然だ。

 ……それこそ多分ここで俺達の誰かが指示を出したらコレオちゃん達は野生の動物にするのと同じようにモーリツさんに襲い掛かることだろう。

 

 そういう状況であることに優秀なモーリツさんが気づかないはずがないというのに、彼は焦るどころか身構えたりする様子もなかった。

 まるで俺達がそんなことをするはずないと確信しているかのように……それが信頼からくるものなのか或いは甘い俺達に対する侮りというものなのかはわからなかった。

 ……だけど何となく俺は前者のような気がするのだが、これはただの希望的観測なのだろうか?

 

六百二十一頁目

 

 コレオちゃん問題は一体をモーリツさんに譲渡することで簡単に解決した。

 前にパララ君二号を譲渡した時と同じことをしたわけで、これによりモーリツさんもコレオちゃんの上に乗って一緒に移動することが可能になったのだ。

 尤も他の個体に指示を出すことはできないが、元々俺達だけでやるつもりだったので特に手が足りなくなる心配はないだろう。

 

 実際に俺とソフィアでコレオちゃん軍団に指示だしすることで前の洞窟と同じように俺達人間の前後を守るように配置させながら進むことができた。

 布陣を完成させたことでこれで取りあえず安心して洞窟攻略を始められる……と思った矢先に今度は別の厄介な問題が浮上してきた。

 ……暑い、すごぉく暑い。

 

 前の洞窟もそうだったがどうも熱が籠っているためか外よりも温度が高いようだ。

 何せ砂漠用の熱に強い装備をしていても汗が止まらない程で、下手したら熱中症になりそうなほどである。

 ただサボテンスープを飲むことで何とか汗が滲むぐらいに抑えることが出来たので洞窟攻略を諦める必要はなさそうだ。

 

 前の洞窟の時は最初からサボテンスープを飲んでいたからそこまで脅威に思わなかったけれど、この砂漠における洞窟において一番厄介なのは熱対策なのかもしれないな。

 ……しかしモーリツさんはサボテンスープを渡すまでも俺達ほどへばっているようには見えなかったがこういう熱い場所での生活に慣れているだろうか?




今回名前が出た動物

ティラコレオ(コレオちゃん)
パラケラテリウム(パララ君二号)
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