六百二十八頁目
思った通り大して苦戦することもなく敵を駆除し終えた俺達はコレオちゃん達が死体から素材をはぎ取りつつ死肉を貪っている間にこの場所を改めて見回してみることにした。
どうもこの場所は天井に隙間があるようで太陽の光が僅かに入ってきており多少周りを見通せそうであったからだ。
そうしてすぐに目についたのは壁の一部からはみ出るように剥き出しになっている未来感溢れる建造物……の左上にある壁のでっぱりの上で黄色い輝きを放っているカプセルであった。
外で救難物資の入っているカプセルを頻繁に回収してるモーリツさんは話には効いていたとはいえ、初見だというのに形の違うアレが同じものだと気が付いたようだ。
同じく既に知っていたソフィアやルゥちゃんと共に出来るのならば中身を回収したいと言い出し、もちろん断る理由もないので早速回収を試みることにした。
高いところにあるが壁をよじ登れるコレオちゃんなら問題なくあそこまでたどり着けるはず……と思ったのだがこれが上手く行かなかった。
カプセルの設置されている場所は妙に壁が凸凹しておりよじ登りにくい上に足場が人間一人が立てる程度の隙間しかなく、コレオちゃんの身体では入っていけなかったのだ。
……壁にへばり付いて移動できるあのオオトカゲの方なら器用に身体をねじ込ませることが出来たかもしれない……何も考えず倒してしまったことをちょっとだけ後悔するのだった。
六百二十九頁目
既にあきらめ気味な俺に対してソフィアは何としてでも回収したいらしく、グラップリングフックを使って強引によじ登ることを提案してきた。
確かにそのやり方ならば不可能ではないだろうが結構な高さがあるため転落などしたらヤバそうだ。
ましてそこを敵に襲われたらひとたまりもない……だから回収に行く気満々なソフィアを抑えて一旦この近辺にまだ野生動物が残っていないか念入りに確認することにした。
その際にここが意外と開けた空間になっていることと金属鉱石の塊を始めとして水晶や硫黄などの希少素材が取れる塊があること……そして進むべき道がなく行き止まりになっているらしいことがわかった。
……正確には人が入れそうな隙間はあったのだが、コレオちゃんには狭すぎる上に蜘蛛の巣塗れで物凄く危うい雰囲気を醸し出していた。
流石に動物抜きでここを進むのは抵抗があるし、また今まで攻略してきた洞窟を思えば余程難易度の高い洞窟以外は動物ごと通れる道がちゃんとどこかに用意されていた。
だから今回もどこかにそういう道が隠されていてもおかしくない気がするが、ともかく一通り調べ終えて野生動物が居ないことが分かったところで先にカプセルの回収を試みることにした。
もちろん万が一の落下事故が起きても即座に対応できるようメディカルブリューをいつでも取り出せるようにしておき、更に足を滑らせた際に落下するであろう場所にマット代わりにコレオちゃん達を敷き詰めておく。
その上で一番グラップリングフックの扱いに慣れている俺が回収しに行くつもりであったが、そこでモーリツさんがやってみようと言い出した。
どうも使い慣れたら便利だが途中で怪我をする可能性のあるグラップリングフックの扱いを、万が一の際に対処してくれる俺がいる今のうちに習得しておきたいようだ。
……多分これは本心だろうけれど、同時に自ら出向くことでカプセルの中身が有益な物だった際に所有権を主張する思惑もありそうだ。
果たして俺と同じ考えに至ったのかはわからないが、そこで中身に興味があるであろうソフィアまで自分もフックを使い慣れておきたいからと回収を名乗り出て来た。
更にはピカピカが好きなルゥちゃんも良く分からないまま手を挙げてきて……まあこの子にやらせるのは危なすぎるから流石に却下するとして、どっちにやってもらうかはまたジャンケンででも決めてもらおう
今回名前が出た動物
ティラコレオ(コレオちゃん達)
アラネオモーフス(蜘蛛)