二百二十六頁目
今回もまたフローラと布団を共にした俺だが、流石に寝不足もあったのかぐっすりと眠ることができた。
そんな俺を優しく起こして朝食を持ってきてくれるフローラ……俺よりずっと若いはずなのに何故か物凄く包容力を感じてグッと来た。
しかも彼女は先に食べることもなく、にこにこと笑いながら俺と一緒に食事をとってくれて……まるで夫婦生活のようでさらにドキッとしてしまう。
尤も向こうからすれば兄に甘える妹、いや朝が弱い弟を持った姉ぐらいの心境かもしれないが……。
とにかくお陰で元気いっぱいになった俺は、昨日の約束を果たすべく早速水を引き込みにアルケン君に乗って水源へ向かおうとして……やっぱりフローラに引き留められてしまう。
やっぱり一人になるのは嫌みたいで、一緒に行動しようといってアルケン君に乗ってしまう。
しかし山肌にあるこの拠点から水源まではかなりの距離がある……片方が歩きで移動していては時間がかかり過ぎて敵わない。
どうしたものかと思いながら拠点に居る動物を見回して、ペヤラちゃんの存在を思い出した。
この子のサドルを作るのに必要な鉄は揃いつつある……何よりこの子の背中なら複数人乗っても大丈夫そうだ。
だからフローラにお願いして作って貰うと、三人乗りのサドルが出来たではないか。
早速乗ってみても悪くない、だから一緒に移動しようというとフローラは嬉しそうに笑いながら頷いて……アルケン君に跨るのだった。
いやまあ二匹で移動したほうがいっぱい物は持てるし非常時もあんぜんだけど……背中に乗せて抱き着いてもらえたら楽しいだろうなと思っていたのでちょっとだけ残念だ。
二百二十七頁目
石を利用してパイプを作りサイフォンの原理を使って水を吸い上げる仕組みを考えてみた。
尤もこれでは十メートルほどしか液体を持ち上げられないから、途中に貯水槽を作ってそこに貯めてからさらに引き上げる……という方法を取ろうかと思ったが左手の鉱石が教えてくれたパイプならそんなことしなくても上まで引き込めることが分かった。
きっとこれはサイフォンの原理とは違う理屈を利用しているのだろう……好都合なのだから深く考えても仕方がないと割り切り、とにかく水を山肌の拠点まで引き込むべくパイプを繋げていくことにした。
しかしこれがまた結構きつい……足場は悪いし、危険な害獣は居るしで散々だ。
それでもアルケン君がかなり力強いので護衛を任せて作業に専念することができた。
おかげで昼過ぎには山肌の拠点にまでパイプを引き込むことが出来た。
早速蛇口を付けると清らかな水が次から次へと溢れ出てくる……思わずフローラと二人で水をパシャパシャして遊んでしまう。
新たな文明の光というか、水道というものはやっぱり素晴らしい限りだ。
【今回名前が出た動物】
アルゲンタビス(アルケン君)
タペヤラ(タペヤラ)